いざ、ラスヴェガスへ!
ラスヴェガスに行ってきました!ご存じ、ネヴァダ州にあるカジノの街です。
この旅は、ホントに楽しかった!そして、そんな感想を持つなんて、わたしにとっては大きな驚きだったんですね。
だって、ラスヴェガスに着いたときは、「この街は世界で一番嫌いな街」と思っていたのですから。すべてが作り物の、カジノの街。まるで、砂漠の蜃気楼。
ラスヴェガスに来るのは、かれこれ5回目になります。最初にこの街に来たのは、20年以上前のこと。その頃は、大型ホテルは数えるほどで、一番きらびやかだったシーザス・パレス(Caesars Palace)のまわりは、まだ砂漠でした。
なんとなく、カジノの華々しい雰囲気が気に入り、自分もネヴァダ大学ラスヴェガス校(University of Nevada, Las Vegas)に入って、ディーラーになる勉強をしようかなと思ったほどです。
でも、いつの頃からか、カジノが大嫌いになって、ギャンブルはまったくしない主義になりました。ちょうど、自分で稼ぐようになってからかもしれませんね。スロットマシーンすら毛嫌いしていました。
まあ、ラスヴェガスは、ハイテク企業にとって最大のショーが開かれる場所なので、まったく無縁でいるわけにはいかない場所です。ですから、今までは、仕方なく来るっていう感じだったんですね。
けれども、今回は、まったく違ったんです。とっても楽しかった。それはひとえに、日本から参加された方々のお陰かもしれません。
この旅は、ハイテク企業を一代で築き上げたおじ様たちが、ご一緒だったのです。おひとりは、すでに引退され、おひとりは、ごく最近、会長さんに退かれた方でした。
おふたりは、15年前、偶然ラスヴェガスのカジノで知り合い、以来、大事な遊び友達を続けていらっしゃるそうです。カジノにゴルフ、マージャンに釣り、と趣味がぴったり。おふたりとも、仕事も遊びもプロなんですね。
その方々に勧められて、生まれて初めて「クラップス(craps)」なるゲームをしました。よく映画なんかに出てくるゲームなのですが、みんなでテーブルを囲み、ひとりがサイコロを投げて賭け事が進むという、ワイワイとした楽しいお遊びです。
「ビギナーズ・ラック(beginner’s luck)」って言葉がありますよね。まさに、それだったんです。わたしがサイコロを投げると、当たる、当たる。30分くらいは投げ続けていました。普通はあんまり出ない「ぞろ目」なんかもたくさん出て、そこに賭けている方々から、とっても感謝されていました。
なんでも、ひとりが30分も投げ続ける事は、あんまりないそうですが、わたしが投げ終わると、みんなから拍手がわき起こりました。「よくやったぞ!」って。
幸い、3泊4日で通算すると、持って行ったお金は無事でした。きっと宿泊していたシーザス・パレスのカジノが、相性がいいのかもしれませんね(そういうのって、あるらしいですよ)。
そして、無理な賭け方はしないこと。数学の確率論に従い、当たる率の高いところに地道に賭ける。連れ合いに言わせると、それが基本だそうです。おじ様たちも、そうやって、楽しく安全に遊んでいましたもの。そして、何よりも、楽しむこと。
ラスヴェガスといえば、また、ショーを楽しむ場所でもありますよね。
わたしは、今回、シルク・ドゥ・ソレイユのショーをふたつ観ました。MGMホテル常設の「カー(Ka)」と、ミラージュの「ラブ(Love)」です。
「ラブ」は、7月上旬に始まったばかりの新しいショーで、ビートルズの歌に合わせて繰り広げられる、楽しいショーです。これまでのシルク・ドゥ・ソレイユのショーとは、一味違った仕上がりとなっています。
独立記念日の週末の初演には、ポール・マッカトニーとリンゴ・スターの元メンバー、ジョン・レノンとジョージ・ハリソンの未亡人のオノ・ヨーコとオリヴィア・ハリソン、そして、ジョン・レノンの先妻シンシアと息子のジュリアンも招かれたそうです。
もともと、ビートルズの音楽って、サーカスっぽい歌もたくさんありますよね。だから、ラスヴェガスのショーにも、ぴったりの音楽となっています。
たとえば、「ミスター・カイト(Being For The Benefit Of Mr. Kite)」。これは、1840、50年代に、ヨーロッパで活躍した実在のサーカスを題材にした歌ですし、にぎやかな「サージェント・ペッパー(Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band)」は、自分たちを投影した「ペッパー軍曹のバンド」を歌ったものですね。
初期の頃の「シャウト!(Shout)」や「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」は、ロックンロールのリズムで華やかにオープニングを飾ってくれるし、「ルーシー・イン・ザ・スカイ(Lucy In The Sky With Diamonds)」や「ストロベリー・フィールズ(Strawberry Fields Forever)」のスローな曲は、不思議な、サイケデリックな、シルク・ドゥ・ソレイユ独特の雰囲気をかもし出してくれます。
リンゴ・スター作の「オクトパス・ガーデン(Octopus’s Garden)」や、ジョージ・ハリソン作の「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes The Sun)」も、楽しさと、さわやかさといった、独特の味を出しています。
ショーの締めくくりは、「ラブ(All You Need Is Love)」。「あなたに必要なのは、愛だけ」という歌詞の通り、これは、ショーの制作に携わった人たちの真摯な願いなのかもしれませんね。みんなの上に舞い降りる赤い紙吹雪も、とってもきれい。
このショーを観て痛感したのですが、ビートルズの音楽ほど、歌詞をよく知っているものはありませんね。さすが、ビートルズは不滅なのです。
もしラスヴェガスに行かれることがあったら、「ラブ」はお勧めですよ!
カジノにショーにショッピング。誰にでも、何かしら好きなことを見つけられる。最近のラスヴェガスは、そういった家族向けのリゾート地になっているんですね。
追記: シルク・ドゥ・ソレイユのファンの方のために。現在、ラスヴェガスで常設されているショーは、5つになりました。
ご紹介したミラージュの「ラブ」、トレジャー・アイランドの「ミステア(Mystere)」、ベラジオの「オー(O)」、MGMグランドの「カー(Ka)」、それから、ニューヨーク・ニューヨークの「ズーマニティー(Zumanity)」です。最後のズーマニティーは大人向けですので、家族連れの方は、お気を付けください。