春の花、日本にて
エッセイのセクションで「桜」のお話をいたしました。けれども、それだけでは何となく物足りないので、もう少し、お気に入りの写真を掲載してみます。
東京では、あちらこちらで美しいソメイヨシノに出会いました。撮った写真は数えきれないくらいです。上野公園の名所もさることながら、六本木ヒルズのような新名所でも、幼い桜が一生懸命に花をつけます。
一番のお気に入りは、やはり京都でした。
3枚目の写真は、全国の桜を守る「桜守」、佐野藤右衛門さんのご自宅の桜です。何も知らずにタクシーの運転手さんに連れていかれたのですが、それだけに、インパクトは大きなものでした。こんなにきれいな花が世の中にあるものかと。
円山公園の桜は、藤右衛門さんが手塩にかけています。だいぶ弱ってきたので、今は少しずつ土の入れ替えをしているところだそうです。一時の勢いはありませんが、きっと盛り返すことでしょう。
京都御所の桜も見事なものでした。ちょうど御所公開の初日に当たり、庭園も御殿も楽しめました。自由奔放に枝を伸ばした桜に、自然の力を感じます。
桜だけではありません。桜の名所・仁和寺では、桜は固いつぼみでしたが、その代わり、ツツジのような鮮やかな花が、来訪者を出迎えます。
北野天満宮では、梅が満開でした。母は、かんざしみたいと感嘆し、連れ合いは、団子みたいだと表現します。どちらにしても、本当にかわいらしい花でした。
京の華は、先斗町(ぽんとちょう)にも咲きます。タクシーの中で、ちょっとはにかむ舞妓さんです。
そして、二条城の庭園にもひとり。この方は、舞妓さんほどきれいなおべべは身に付けていませんが、無心に雑草を抜く後姿がうつくしい。
「花より団子」は、鴨川でお弁当を広げる外人さんふたり。川原は公園のように人が集まり、お弁当に最適な場所となっています。それを狙ってカラスが飛んでいました。
花かと思いきや、こちらは、おみくじの結び木。まさに満開です。平安神宮には、訪れる人も多いようです。ここは、しだれ桜で有名なところ。庭園は3部咲きともいえないくらいで、とても残念でした。春先の寒さが影響したようです。
うまくタイミングを計れるなら、それは自然ではありません。きれいな花にどこで出会えるかと気を揉みながら歩くのも、花見の醍醐味かもしれません。