「待ちぶせ」画面(?)物語
先日、友人夫婦とランチをしました。昔からの友人夫婦で、東京に来ると定期的に食事をご一緒する夫妻です。
娘さんがいらっしゃるので、夜は自宅に戻りたいということで、いつもランチにするのですが、その娘さんも、もう大学4年生。
お受験を見事に克服し、第一志望の有名私立大学に通う彼女は、来年の春には、一流銀行の営業部に就職が決まっているのです。
折にふれて、彼女の成長ぶりは写真で見せてもらっていたのですが、最後に会ったのは、なにせ中学生の頃。厚ぼったい眼鏡をかけた彼女は、中学生にしては大柄なものの、どことなく子供っぽいイメージが残っていました。
「自分の人生の中で、一番ブスだった(本人談)」中学生の頃からは華麗に変身し、それこそ、どこに出しても恥ずかしくない「自慢の娘」となったのでした。
そこで、娘さんの近況をお披露目しようと、友人がダンナさんに問うのです。
「あなた、娘の写真が『待ちぶせ』画面にあったわよね?」
もちろん、彼女が言いたかったのは「待ち受け画面」のこと。ダンナさんのケータイの待ち受け画面には、娘と友達がにこやかに笑うスナップ写真が採用されていたのでした。
なるほど、どこかのグループでデビューできそうな、かわいらしいレディー。あの分厚い眼鏡の女の子とは、大違いなのです!
女の子って、ほんとに蝶が蛹(さなぎ)から脱皮するように、見事に変身をとげるものですねぇ。
それにしても、友人の「待ちぶせ画面」には大笑いしてしまったのでした。
ふとした勘違いなので、余計におかしいのですが、この言葉を聞いたわたしの頭の中には、こんなストーリーが・・・
たとえば、あるダンナさんのケータイに奥方と娘の写真が採用されていたとしましょう。
でも、いかんせん、彼は会食のあと「すぐに帰る」と約束していました。
が、会社員たるもの、お得意様の誘いをむげに断るわけにもいかない・・・
そこで、ケータイで奥方に連絡しようとするのですが、「待ちぶせ画面」の奥方は、なにやら鋭い目つき・・・
ダンナさんは、なんとなく「二軒目に行く」とは言い出しにくく、口から出た言葉は、「あ、今から帰るね」だったのでした。
そう、まさに行く手をふさごうと、ケータイ画面で「待ちぶせ」していた奥方だったのでした。
と、そんな想像が一気に頭の中を駆けめぐるほど、友人の勘違いは「名言(迷言)」ではありました。
それにしても、このダンナさんは、ブツブツと小言をつぶやきながら家路に着いたことでしょう。「彼女だって、何年か前までは同じ会社にいたんだから、仕事のしきたりは十分にわかっているはずなのに・・・」
いえ、女性は元来、強い生き物なのです。新しい環境への適応能力は、男性とは比べものにならないほどでしょう。
それに、鋭い目つきで行く手を「待ちぶせ」していた奥方は、案外、シャカシャカとへそくりを貯めているのかもしれませんよ。
いえ、自分のためではありません。社会保障制度があてにならないので、ふたりの老後のために、がんばって貯めているんです。
そう、結局のところ、最後にあてになるのは、いつの世も奥方なんですよね。
そして、つねに家族の幸せを第一に考えているのも彼女なんです。
そう、ちょうどこちらの短冊(たんざく)の方のように、「毎日 笑顔ですごせますように」って。
だから、世の中って、問題がありながらも、ちゃんとまわっているものなのかもしれませんね。
食いしん坊な追記: お料理の写真は、最初のものが、東京・港区赤坂にある東京ミッドタウン内の和食レストラン、「HAL YAMASHITA(ハル ヤマシタ)東京」の有機野菜のテリーヌ。ご自慢の有機野菜をふんだんに盛り込んだ、とってもヘルシーなテリーヌです。
女性にうれしい、カロリーをおさえたランチコースを彩る一品目となります。
次の写真は、港区六本木にある日本料理「龍吟(りゅうぎん)」の夏のコースの一品。名づけて「“焼きとうもろこし”仕立ての流し豆腐 “生うに”と“揚葱”を乗せて」。
とろりとしたクリーム状のトウモロコシの流し豆腐に、すがすがしいジュレとウニがのっていて、カリッと揚げた葱(ねぎ)のトッピングとかわらしい葱の花が飾られています(ネギの花って、初めて見ました!)。
こちらのお店は、躍動感あふれる鮎(あゆ)の姿焼き「“泳がし鮎”の炭火焼」でも有名なのですが、鮎と同じくらい気に入ったのが、このトウモロコシとウニ。
素人では考えもつかないような、絶妙な素材のハーモニーがすばらしい!