どんなプロポーズがお好き?
2月のヴァレンタインデーの季節になると、とにかく世の中が浮かれ立ちますよね。
そろそろ早春の頃ですし、辺りの空気には、ほんのりとピンク色が混じっているみたい。
そういうとき、Love is in the air(空気には愛がただよっている)とも言いますね。
誰かに恋をしている人もいるし、恋に恋している人もいる。まわりを見わたせば、ハートがドキドキな人たちでいっぱい、といった感じでしょうか。
それで、いくら世の中が浮かれ立っていたって、ヴァレンタインデーには、ちゃんとしたエティケットがあるそうですよ。
それは、レディーは、あまり親しくない男性からアクセサリーみたいな高価で身につけるものは受け取らない、というもの。
前回のお話でも書いてみましたが、アメリカでは、ヴァレンタインデーに贈り物をするのは、圧倒的に男性。
でも、あまり親しくない間柄だと、バラの花束やチョコレートとオーソドックスなものに留めておくこと、というのがエティケットだそうです。
また、いくらアクセサリーや服など身につけるものを贈られたとしても、真剣におつきあいする気がないのだったら、レディーはありがたくお断りしないといけないとか。
男性がアクセサリーなどの高価なものを贈るときは、何かしら「見返り」を期待していることが多い。だから、もし「友達としておつきあいしよう」という気しかないのだったら、高価な贈り物は受け取らない方がいい、ということみたいですね。
「最初のうちは、時間をかけてじっくりと進展を待ちましょう」というのが、昔からの恋のルールなのかもしれませんね。
そこで、そんな段階はとっくにクリアして、結婚を前提におつきあいしているカップルだとしたら、今度は、ヴァレンタインデーにプロポーズ! なんてことも考えなくてはなりません。
やっぱり、ヴァレンタインデーは「愛の日」。
そんな特別な日にプロポーズされたら嬉しい女性は多いみたいで、ここでも、プレッシャーがかかるのは男性の側。
たとえば、単なるディナーのふりをして誘ったレストランでは、ダイヤモンドの婚約指輪をシャンペングラスに沈めておくとか、デザートのケーキにこっそりとひそませておくとか(どなたか指輪も一緒に食べちゃって、病院に駆け込んだ方もいらっしゃいましたよね!)。
でも、そんな工夫は、もう当たり前。
そして、大好きな野球チームの試合を観に行って、スタンドの大画面に「結婚してください」とメッセージを流すのも、ちょっとありきたり。
だって、今は、どんな瞬間もYouTubeビデオで流れる時代。ちょっとやそっとでは、相手だって驚いてはくれないのです。
だったら、どうすれば独創的なプロポーズができるの? というわけで、新聞の日曜版に、こんなアドバイス記事が載っていました。
世の中をあっと驚かせることよりも、ふたりにとって大事な場所やふたりがともに好きなものをテーマに選ぶこと。
(Article by Jessica Yadegaran, photo by Susan Tripp Pollard from the San Jose Mercury News, February 10, 2013)
ここで紹介されたスコットさん(写真)は、お相手のジェシカさんをわざわざ南カリフォルニアのユニヴァーサル・スタジオまで誘い出したそうです。
ミュージカルドラマ『glee(グリー)』が大好きなジェシカさんのために、30人のダンサーを雇って、彼らがまるでドラマみたいに踊る中、ダイヤモンドの指輪を差し出し、片ひざをついて、こちらの殺し文句を。
Will you marry me? (結婚してくれませんか?)
ジェシカさんは「もうびっくりしちゃって体は震えるし、手なんてビリビリしびれていたわ」と、一年前の忘れられない瞬間を語っていらっしゃいました。
そして、レイさんとキャシーさんの場合は、ふたりで参加したカップル向けのクッキングクラスだったそうです。
(Photo by Dan Honda, the Mercury News)
ともにレストランで働き、料理が大好きなふたりは、レイさんが手配したクッキングクラスに参加することになったのですが、このときのテーマ食材は、ピーマン。
先生が「ピーマンは、ときに甘くもあり、ピリッとスパイシーでもあり、お熱いほどホットでもある」と説明しながら、キャシーさんを壇上に招くのです。
「ピーマンにもちゃんと切り方があるんだよ」と指南する先生に従って、キャシーさんがピーマンを切ってみると
ポロッと、きれいなダイヤモンドの指輪が!
そこで、レイさんは片ひざをつき、プロポーズをするのです。
(そう、どんなシチュエーションでも、片ひざをついてプロポーズすることを忘れてはいけませんね!)
キャシーさんは、涙を流しながら「イエス」と返事をするのですが、まわりで見ていた人たちも、感動して涙ぐんでいらっしゃったとか。みなさん心から祝福してくださったそうで、それがまた、とっても嬉しかったと、キャシーさんはおっしゃいます。
なるほど、ふたりが興味のあるクッキングクラスだったら、彼女だっていぶかしがらずに付いて来てくれますよね。
こんな風に「予想もしてなかった展開」というのがミソなんでしょうねぇ。
ということは、彼氏もかなりの演技派じゃないといけない・・・?
(う~ん、アメリカの男性って大変そう・・・)