まったく迷惑な山火事です
先日、山火事のお話をいたしました。
我が家から直線距離20キロの場所で、大きな、大きな山火事が起きていると。
さっそく、その弊害が出てきましたよ。何って、お外に出られないんです。
詳しくはわかりませんが、山火事って、結構、体に悪い副産物を出すんですよね。
まあ、「毒ガス」とは言わないまでも、有害な細かい塵(ちり)を、どんどん空に向かって吹き出す。すると、その汚れた空気を吸い込んで、呼吸器系が弱い人なんかだと、具合が悪くなる。
火事が起きて3日目の晩、涼しい夜風を入れようと窓を開けていたら、わたしも途端に喉がチカチカと痛くなってきて、頭痛がしてきました。急いで窓を閉めると、良くなるのです。
だから、それ以来、窓も開けられないし、外にも出られない・・・車内の通気孔も閉めたまんま。
こういう空の細かい塵って、とっても小さくって、だから、喉や肺の奥深くに入り込んでしまうんだそうです。そして、喉が痛くなったり、喘息の人は息苦しくなったりする。
べつに、わたしは喘息持ちではありませんが、喉の弱いことにかけては、ちょっと自信(?)があるのです。
3年ほど前、中国を旅行したとき、北京、西安、上海と足を伸ばしたのですが、最後の上海まで来るとさすがに喉をやられてしまって、その後、しっかりと風邪をひいたことがありました(中国の都市部は、どこも空気が汚いのですね)。
今回の火事も、そんな感じ。お喉にとっても悪い!そして、声はガラガラになってしまいました。
すぐ上の写真は、山火事3日目の写真です。
そして、こちらは、5日目。
だんだんと、悪い空気がシリコンバレーの谷間を充満しているのが、はっきりとわかりますよね。
昨日の4日目は、もっとひどかったですよ。太陽がまるっきり見えないくらいでしたから。
よりによって、この日は、山火事から一番近い街へ、主治医に会いに行かないといけませんでした。
南へ向かって、幹線道路フリーウェイ101号線を運転すると、空はこんなに鈍色(にびいろ)。
テレビ局の中継車も、その日の状況を報道しようと、南に向かっているのを見かけました。
主治医のオフィスがだんだんと近づいて来ると、フリーウェイの脇に電光掲示板が出てきました。
「Fire Camp、Exit Next」などと書いてあります。「Fire Camp に行く人は、次の出口でフリーウェイを下りろ」という意味です。
この Fire Camp (火事の野営地)というのは、消防士さんたちの寝泊りする対策本部みたいなものですね。ここを根城として、それこそカリフォルニア中から集まった2千人ほどの消防士さんたちが、24時間体制で消火活動をしているんです。
おもしろいことに、火を消すには、火で対抗するらしいですよ。迎え撃つような形で、火が進んで来る所に、わざと火をつけるのだそうです。
それでも、燃えている火は、延々と30キロの長さまで連なっています。その火の前線を迎え撃つとなると、相当の労力が必要ですよね。
しかも、空は視界がとても悪いので、大量の消化剤を積んだジェット機は使えません。細々と水を運ぶ消火ヘリコプターだけが、消防士さんの助けとなります。
連日連夜の消火活動で、消防士さんたちも、そろそろ疲労がピークに達しているみたいです。防火服で蒸し暑いし、重い機材を身に付けているし、有毒ガスで目や喉は痛むだろうし・・・大変なお仕事なんですよね。(しかも、アメリカの場合、ボランティアの消防士さんがたくさんいるんですよ。)
出火して、今日で5日目。今までサンフランシスコ市くらいの面積が焼き尽くされたそうですが、完全に火を消し止めるまでには、少なくともあと10日はかかるそうです。
「泣きっ面に蜂」とは、まさにこういう事なのでしょうか。ご丁寧なことに、我が家の近くの山火事だけではなくて、300キロほど北東に離れた国有林でも、ほぼ同時刻に大きな山火事が起きているんですね。
そして、この山火事の煙が、サンフランシスコ・ベイエリア方面に風でどんどん流されて来ている!
だから、サンフランシスコ湾のまわりは、どこもかしこも、どんより(hazy)としている。
ま、我が家の場合は、きっと山火事のダブルパンチなんでしょうが、昨日はこんな感じでしたね。
ここに太陽がいるはずなのに、すっかり隠れている!
そんな昨日に続いて、今日も、えっちらおっちら主治医のオフィスに向かいました。(べつにどこも悪くありませんが、血の定期検査をするために。)
まだまだ真っ青とまではいかないけれど、ほっと一息ついてみたのでした。
なんだか久しぶりに、青い空を見たような気がします。
やっぱり、カリフォルニアは、青い空でなくっちゃね!
どうか、早く山火事が消し止められますように。