ワインとアートのフェスティバル
7月ともなると、北カリフォルニアの夏は全開!各地で、さまざまなフェスティバルが開かれます。
中でも、独立記念日の花火のように各都市で開かれるのが、ワインとアートのストリート・フェスティバル。ワインの名産地カリフォルニアならではのイベントです。
ワインとアートのフェスティバルは、シリコンバレーだけではなく、あちらこちらで開かれます。
サンフランシスコや、ゴールデンゲート橋を渡った先のサウサリート、シリコンバレーから南へ1時間のモントレー・カーメル。そして、ぶどうの産地の、ナパやソノマ。サンフランシスコのフィルモア通りでは、ジャズ演奏も楽しめたりと、フェスティバルごとの味があるのですね。
こういったストリート・フェスティバルは、入場料なんて取らないのが普通です。
さて、お祝い気分も続く独立記念日の週末、シリコンバレーのロスアルトス市(Los Altos)で、アート&ワイン・フェスティバルが開かれました。
ダウンタウンの主な通りは通行止めとなり、近隣のワイナリーや、フリーで活動しているアーティストたちが、ここぞとばかりに出店を連ねます。
我が家も、以前は毎年のように、こういったワインとアートのフェスティバルに出向いていました。
とくに、6月に開かれるサニーヴェイル市(Sunnyvale)のアート・フェストは、かなり大掛かりなもので、ワイナリーも何十軒と出店します。ハイテク企業のAMD(コンピュータ・プロセッサの会社)のボランティアが、記念にポラロイド写真を撮ってくれて、簡単なフォトフレームで手渡してくれたりもします。それが楽しみで、毎年足繁く通っていたものでした。
ところが、いつの頃からか、ぱったり。ちょっと飽きてしまったのですね。アーティストの顔ぶれも、毎年似たようなものですし。
こういったアーティストは、シーズンごとに各州をまわっているようです。まるで、寅さんみたいに。
けれども、今回のロスアルトスのフェスティバルは、何年かのブランクの後だったので、新鮮でした。アーティストの顔ぶれもだいぶ変わっているし、斬新なアイデアのアートもあります。
ワインのびんを押しつぶして、チーズ用のカットボードに。これなんか初めて見ましたが、なかなかおもしろいアイデアです。
絵もたくさん出品されています。とってもカラフルな楽しいヨーロッパの風景画もありましたし、中国人の夫婦が刺繍で作る写実的な絵もありました。ピンクの混じった稲穂の刺繍はすごく気に入りましたが、550ドル(6万円ちょっと)。思ったよりも高いので断念しました。
なんといっても、こういったアート・フェスティバルは、わたしにとっては目の毒。いろんなものが欲しくなってしまいます。でも、連れ合いに言わせれば、「こまごまと、家の中で邪魔になるものばっかり」。結局、この日は、なんにも買いませんでした。
連れ合いの関心は、もっぱら飲み物。照り付ける太陽に、のどが渇いたと、まずはビール。「ワインとアートのフェスティバル」という名前ですが、ここではビールやマルガリータも手に入るのです。
まずは、グラスを売ってあるブースへ。ひとつ5ドルのグラスを購入します。ビールジョッキか、ワイングラスの選択があるのです。
このとき、運転免許証などの身分証明書が必要なので要注意。カリフォルニア州は、21歳以上に飲酒が許可されていますが、全員の年齢をチェックし、許可された人には、紙のリストバンドが付けられます(若くても、おじいちゃんでも、全員をチェックするのが規則だそうです。チェックされて嬉しい人もいるかも!)。
グラスをゲットしたら、お好きなブースへどうぞ。ワイナリーやビール醸造所のブースで語らうのも、こういったフェスティバルの醍醐味ですね。
勿論、食べ物もあります。アメリカ人から食べ物を取り上げたら、なんの楽しみも残りませんからね。
チキン照り焼きに串焼きのカバブ。とうもろこしにタコスと、バライエティーに富んだ店構え。近くの有名な中華料理屋さんもテントを出しています。
メインステージでは、ハードロックのコンサート。まわりには、テーブルとパラソルも置かれ、舌鼓を打ちながら、ロックを楽しみます。
一方、近くの公園では、小型のコンサート。ギター片手に、おじさんがジョン・デンバー風の素朴な歌をご披露します。
フェスティバルには、ミュージシャンも出店していて、演奏をしながら、自分のCDを売っています。
ロスアルトス市は、閑静な住宅街です。街角には小さな果樹園も残ります。アートにも力を入れていて、街のあちらこちらにオブジェが置かれたりしています。
ダウンタウンには、昔ながらのモールがあって、古くからの洋服屋さんやレストランが並びます。最近は、チェーン店の波も押し寄せているようですが、それでも、個人経営のお店もまだまだ健在。
アーティストやワイナリーを楽しむストリート・フェスティバル。出店だけではなく、そういった街の雰囲気を楽しめる特典もあるのですね。