Life in California
ライフ in カリフォルニア/日常生活
Life in California ライフ in カリフォルニア
2007年03月05日

日本は安全?

サンフランシスコ空港を飛び立って、今、東京におります。

日本は暖冬だとか、桜が咲いたなどと耳にしていたのに、着いてみると、思ったよりも寒いのです。
 やっぱり日本は、シリコンバレーよりも冷えるみたい。


というわけで、成田に着いた直後のこと。

いつもの成田エキスプレスで、東京駅に向かいます。ちょっと時間があったので、椅子に座って待っていると、隣に女性ふたりが座ってきました。

彼女たちも、海外からの長旅を終え、ほっと一息。さっそく、構内の売店にお茶を買いに席を立ちます。

でも、ふたりとも同時に席を立ってしまったので、荷物はそのまま席に置いたまま。勿論、お財布の入ったショルダーバッグは肩にかけて立ちましたが、ここでわたしは、なんとなく違和感を覚えてしまったのでした。

いかに売店が近くとも、海外でこれをやったら危ないかなって。

まあ、これを見ていたわたしは、言われなくとも自然と荷物番をしてあげました。幸い、あんまり構内も混んでいなかったので、誰かに席を取られることもなく、彼女たちは、じきにお茶を持って戻ってきたのでした。

そして、「あ~、やっぱり、日本のお茶ってホッとするよね~」と、幸せそうに仰せです。

きっと、ホッとするのは、お茶だけじゃなかったのでしょうね。この安全そうな空気も、ふっと息をつける瞬間。


悲しいことに、ひとたび外国に出ると、「基本的にまわりは泥棒さん」くらいの心構えでいないと危険ですよね。
 だから、ふたりで同時に席を立つことは危険だと思いますし、もし荷物を置いて離席する必要があれば、まわりの信用できそうな人に、こう頼んで行った方がいいですよね。

すぐに戻ってくるから、2、3分わたしの荷物を見ててくれない?

(英語では、I’ll be right back, so could you watch my bag for a couple of minutes?と言えばいいと思います。)

わたしは、よくこれを頼まれるのです。やっぱりどう見ても、人の物を盗むタイプには見えないらしく、相手も心置きなくどこかへ姿を消してしまいます。

ワイキキビーチでも、パラソルの下で休んでいると、荷物番を頼まれたことがありました。みんなで楽しそうに、波に乗って遊んでおられました。

一度、大学の図書館で、こんなこともありました。「荷物を見ていてね」と頼んで行ったわりに、相手は約束の5分を過ぎても戻ってきません。彼女の5分は、日本人のわたしの5分と違うのでしょうか。30分経った頃に、もう待てない!と、わたしはそのまま家に帰ってしまったのでした。

でも、だいたいの人は、約束の期限にはちゃんと帰ってきますね。やっぱり相手に悪いなという気はあるみたいです。


日本は、安全神話が崩れ、だんだん物騒な世の中になってきたと言われていますよね。

でも、わたしなどは、日本に戻ってくると、ホッとするのです。いつも気を張っていなくてもいいかなって。

だって、東京の地下鉄に乗ると、制服を着た小さな子供たちが、自分たちで登下校しているではありませんか。こういうのって、外国の人からすると、信じられないのだと思いますよ。

いつか、シリコンバレーのわたしの元上司も、こう言っていました。「東京の地下鉄に乗ったら、こんなに小さな制服の女の子が、ひとりで乗ってるんだよね。僕にしてみたら考えられないよ。でも、それほど、東京は安全なんだろうねぇ」と。

彼には、再婚後に生まれた女の子がいて、きっと、同年齢の愛娘と重ね合わせて見ていたのでしょうね。

そう考えてみると、日本の安全さも、まだまだ捨てたもんじゃないですよね。


そんなことをごちゃごちゃと考えながら、東京のホテルに到着しました。

日本はもう、いちごの季節だそうで、部屋にはいちごのお皿が置いてありました。部屋の中も、早春の香りに満ちています。

街にも、いちごのケーキに、いちごの小物たち。いちご色に満ちています。これほど季節に敏感な国民はいませんよね。ほんとに風流。

そして、また、ほっと息をついてみるのです。


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