Life in California
ライフ in カリフォルニア/季節
Life in California ライフ in カリフォルニア
2006年09月04日

水遊び

今日9月4日は、アメリカでは「レイバーデー(Labor Day)」。日本の「勤労感謝の日」みたいなものですね。
 国民の休日がちょっと足りないアメリカの、数少ない3連休のひとつなんです。

アメリカ人って、なんだかいつもたくさんお休みしているイメージがありますが、国民の休日も有給休暇も、日本よりも少ないんですね。

そのわりに、働く人の3割は、一年間に許された休日を全部楽しめていない。
 それに、2割くらいの人は、休みを消化しきれずに、会社にお返ししているらしいです(会社によっては、いくらか支払ってくれるところもあるようです)。

レイバーデーくらい、ちょっとゆっくりしてみたいなぁ。それが、多くのアメリカ人の切なる願いなのかもしれませんね。


まあ、もともと「勤労感謝の日」ではありますが、9月の初めということで、まだまだ夏の余韻が残っています。

ということで、この日は、5月下旬のメモリアルデーに始まったバーベキュー・シーズンの最終日ともされています。
 この3連休、あちらこちらの公園や自宅の裏庭では、家族やお友達とバーベキューを楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。

今日は、シリコンバレーでも、とっても日差しが強く、暖かい一日です。
 「9月のレイバーデーを過ぎたら、白い服を着てはいけませんよ」と言われているけれど、なんだか、そんな雰囲気ではありませんね。


で、こんな日は、水遊びでもいかが?なんて思ってしまいます。

水遊び。プール。

プールと言えば、

こんなものとか、
(これは、5月に行った、ギリシャ・エーゲ海のミコノス島。ホテルの立派なプールなのですが、このときはまだ寒くて、とっても泳げなかったです)

こんなものとか、
(こちらは、サントリーニ島のホテルのプール。サントリーニ島は、絶壁に街がへばりついている感じなので、ホテルのプールと言っても、大きくはありません。やっぱり突風がすごくて、泳げる雰囲気ではありませんでしたが、きっとプールの端に行くと、海に落ちて行くような感覚でしょうね)

それから、こんなものを想像しますね。
(こちらは、クレタ島のホテルのプール。部屋のバルコニーに付いていました。浄化された海水を引いているので、なかなか浮き易いと、試してみた連れ合いが言っていました)

さて、3つのプールの共通項は何でしょうか?

そう、きれいな水


ところが、アメリカの公共のプールは、ちょっと危ないらしいです。なぜって、微生物がウヨウヨ。中には、皮膚や呼吸器官や消化器官に害を与える微生物も。

塩素のにおいがプンプンしていたって、安全とは限らないのですね。

いや、公共のプールに危険が潜んでいるのは、どこの国でも一緒です。でも、アメリカの場合、ちゃんと検査していない!赤ん坊が、紙おむつのまんまでプールに入っていたりするのに。
(びっくりすることに、アメリカでは、「水遊び用」にと、防水効果のある紙おむつをテレビで宣伝したりしています!)

どうして、ちゃんと水質を検査していないかと言えば、自治体の検査官が足りないからなんだそうです。自治体の財政が傾いていて、検査官を充分に雇えない。

たとえば、シリコンバレーと呼ばれているサンタクララ郡。ここでは、たった39人の検査官が、3200もある公共のプールやスパを検査しなくてはならないそうです。
 しかも、彼らは、レストランの衛生検査も掛け持ち。充分に水質検査ができるはずがないのですね。


そして、実際に検査してみると、問題だらけ。そのお陰で、過去3年間に、6つにひとつの割りで、プールやスパが閉鎖されていたというデータもあるそうな。
 中でも、ホテルやアパートのプールなんかは、要注意だそうです。コストがかかるからって、フィルターが壊れても、なかなか直さないで使っている場合もあるそうなので。

水の中に潜んでいるバクテリアやウイルスや寄生虫は、実にさまざま。中には、O157(E. coli )、サルモネラ菌(salmonella)、シゲラ菌(shigella)といった下痢を引き起こすバクテリアや、A型肝炎(Hepatitis A)のウイルスなんかもあるそうです。
 こういった水中のバイキンの中には、塩素の入った水でも、数日間は生きられるものもあるとか。

検査官のひとりは、こう言うのです。「公共の場で、大手を振っておしっこできる場所なんて、プールくらいなものでしょう」って。


いや、汚い話で申し訳ありませんが、おしっこばかりではないそうですよ。

現に、3日ほど前、サンノゼのダウンタウンの噴水が、浄化作業のために閉鎖されたのです。

ここは、水遊びで有名な場所なのですが、7人の子供が病気になったので調べてみると、噴水のあたりに排泄物(fecal matter、通称poop)が見つかったそうです。

どうも、子供たちは、間違って、汚い水を飲み込んだみたいですね。

(ほんとに、汚い話ですみません。でも、物のついでに、幼児に向かっては、poo pooなんて言う時もありますね。おしっこは、pee peeとか。)


日本に「3秒ルール」ってありますよね。床に落っことしたものは、3秒以内だと食べられるっていう(まあ、微生物学的には、これは嘘なんでしょうけれど)。

アメリカではこれを、「5秒ルール(5-second rule)」って言うんですよ。

このたった2秒の差に、衛生に対する考えの違いが凝縮されているような気がしてしょうがないのです。

追記:我が家のすぐ近くにも、住民のための立派なプールがあるんですよ。大人用のリゾート型プールと、子供の競技用プールが。でも、10年間ここに住んでいて、一度しか行ったことがないのです。だって、ゴーグルをつけて水中を見ていると、なにやらフワフワと浮いているんですもの。なんか怖いんです。

ちなみに、2年前、アメリカ人の衛生観念のお話を書いたことがありました。「あなたはきれい好き?」という題名の、3つ目のお話です。興味がありましたら、こちらをどうぞ。

この中にも、トイレでちゃんと手を洗うか?なんて話題が出ていますが、カリフォルニアのレストランのトイレには、「ちゃんと手洗いを励行しましょう」とステッカーが張ってあったりします。これは、従業員に対する戒めなのですが、こんなのを見るとかえってギョッとしてしまうのは、わたしだけでしょうか?


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