サンフランシスコの大晦日と新年
前回のフォトギャラリーでは、サンフランシスコのクリスマスの様子をお伝えしました。今回は、クリスマスから新年を迎える様子をお伝えいたしましょう。
ご存じのように、アメリカには日本の「お正月」みたいな新年の行事はありませんので、クリスマスの飾り付けは、1月初頭まで残されています。
まあ、クリスマスはキリスト教のお祝いですから、クリスマスツリーをいつまで飾っておくかということにも、もともとはルールがあったわけですよね。
それによると、1月6日の「Epiphany(エピファニー、公現祭)」の前夜まで、つまり、クリスマスから1月5日の12日間(The Twelve Days of Christmas)はツリーを飾っておく、というのが伝統的なルールだったそうです。
「エピファニー」というのは、イエス・キリストの降誕を祝って、東方の三賢人がベツレヘムを訪れ、イエスを礼拝したという日。
そんなわけで、1月5日の晩までは、クリスマスの飾り付けをそのままにしておく家庭も多いのです。ですから、なんとなく、クリスマスとお正月がくっついた感じでもありますね。
それで、日本の「お正月」のお祝いに代わるものといえば、よくご存じの「カウントダウン」と「新年の花火」でしょうか。
サンフランシスコでも、新年(New Year)の時報とともに、15分間の花火が始まります。さすがに、このときばかりは、新年がやって来るのをみんなで律儀に数えていますので、一秒たりとも遅れません。
サンフランシスコの花火といえば、7月4日の「独立記念日(Independence Day、Fourth of July)」の花火と新年の花火の2つが有名ですが、それぞれ打ち上げる場所が違いますので、要注意なのです。
夏の花火は、夜9時半から観光スポット「ピア39(39番埠頭)」で上がりますので、埠頭の付近、たとえばビーチ通り(Beach Street)とエンバーカデロ通り(The Embarcadero)が交差した辺りが、絶好のスポットとなるそうです。丘の上にあるコイトタワー(Coit Tower)も良いとか。
一方、新年の花火は、フェリービルとベイブリッジの間で上がりますので、エンバーカデロ上のハワード通り(Howard Street)とミッション通り(Mission Street)の間が最高のスポットだそうです。
花火前には海沿いにフェンスが張られますので、残念ながら、フェリービル脇の14番埠頭には入れなくなります(船から打ち上げる花火を間近で見られるはずですが、同時に火の粉も降ってくる?)。
幸い、我が家は高いビルのベランダから花火見物できたので、海沿いには足を運びませんでしたが、大晦日には近隣の街から25万人ほどの見物客が詰めかける、と報道されていました。
そうなんです。大晦日から新年は、街がとっても騒がしくなるんです。ストレッチリモ(長いリムジン)を予約して、仲間たちと車内でシャンペンを飲みながら街を走り回ったり、どこかのパーティーに参加して、朝まで飲んだり踊ったりと、ハメをはずす一夜なのです。
みんなのアルコール摂取量を見越して、車を運転しないようにと、市バス・電車(Muni)は大晦日の晩から翌朝6時まで無料になりますし、シリコンバレーとサンフランシスコを結ぶ列車(Caltrain)も夜中は無料運転をしてくれるのです。
まあ、行政は、それほど飲酒運転を恐れているわけですが、残念ながら、ケンカなどの騒がしい出来事も起きたようですね。夜中じゅう、パトカーのサイレンが耳に届いていたような気もします。(でも、サンフランシスコは、他のアメリカの都市に比べると安全だと思いますよ!)
そんなわけで、一夜の興奮が冷めてしまうと、元日からは「ふと我に返る」のがアメリカです。
日本では「お屠蘇気分」なんて言いますが、アメリカのオフィスやお店は、そうはいきません。
だって、仕事はさっさと1月2日から始まるし、お店だって元旦に開けるところも多いですので、いつまでも従業員や顧客に「ホリデー気分」を引きずってもらったら困るのです。
ですから、サンフランシスコのような都会では、元日の晩か2日には、さっさとクリスマス飾りを撤収して、新年の雰囲気に一新するところも多いですね。(都会は、なんでもテンポが速いですからね!)
元日の夕刻、金融街をお散歩していたら、大きなビルのロビーでは鉢植えを交換している様子をいくつか見かけました。クリスマスらしいシクラメンから、新春を感じる清楚な花に替えるのです。
そして、1月2日からは、心機一転。「新しい闘い(お仕事やお勉強)」が始まるのですね。