Who’s calling? (どちら様?)
最近は、スカイプ(Skype)なんかのインターネット電話に押され気味ですが、まだまだ健在の電話。
そこで、今日は、電話の受け答えのABCをどうぞ。
多くのアメリカ人は、電話をかけてくると、まずこう言います。
May I speak with ~?
これは、「~さんとお話したいのですが」という意味ですね。
もし相手が自分を指定している場合は、こう言います。
Speaking.
Speaking の代わりに、This is she(男性の場合だったら、This is he)という言い方もあります。
This is ~ speaking(~は自分の名前)と名乗ってもいいですね。
一方、相手が家族や同じオフィスの人を指定している場合は、すぐに受話器を手渡す前に、まず相手の身元を確かめたいですよね。
そういう場合は、こう尋ねます。
Who’s calling, please?
文字通り、「誰がおかけになっているの?」という意味ですね。
「電話をかける」という動詞は call です。たとえば、I’ll call Carol(「キャロルに電話してみようっと」)みたいに使います。
最後の please はなくても構いませんが、Who’s calling? の場合でも、語尾は優しく上げるのが普通です。
Who’s this?(「あんた誰?」)と、ぶっきらぼうに尋ねる人もいますが、大人の場合は、Who’s calling, please? の方が望ましいですね。
すると、相手は、こちらの問いかけに、This is ~ と名乗ってくれるでしょう。(こちらが聞くまでもなく、最初から This is ~ と名乗る人もいますが、これは少数派のようです。)
受話器を別の人に渡したり、内線電話をつないだりする場合は、かけてきた人にこう言います。
Hold on, please.
これを文章にしたいなら、Could you hold on a minute? とすればいいでしょう(最後の a minute は、1分間というよりも、「ちょっとだけ」というニュアンスですね。代わりに、1秒の a second を使う人もいます。)
もし相手の話したい人が近くにいない場合は、He’s not here(「ここにはいないよ」)とか、He’s on a business trip(「今は出張中だよ」)とか説明していあげればいいですね。
もし親切に伝言をしてあげようと思ったら、May I take a message? と相手に尋ねます。
一度、こんなことがありました。電話を取ったら、いきなり相手の女性がこう言うのです。
Who’s this?「あんた誰?」
こちらは「え~、アンタがかけてきたんでしょう」と心の中で叫びながら、こう聞き返しました。
Who am I speaking to?「どちら様ですか?」
すると、ようやく相手は、どうしてかけてきたかを説明し始めます。
どうやら、想像するに、うちの電話番号は、彼女の昔の上司ビルさんの電話番号だったらしく、ビジネス上の助けか、もしくは転職の相談のためにかけてきたようなのです。
かなり切羽詰っているような雰囲気でしたが、残念ながら、わたしは上司ビルさんを知りません。仕方がないので、バイバイいたしました。
注:Who’s calling? の代わりに、Who am I speaking to? を使ってもいいでしょう。ちょっと丁寧さに欠けるかもしれませんが。正式には Whom am I speaking to? ですが、アメリカ英語では、残念ながら、Whom というのは死語になりつつあります。けれども、わたしはこのとき、嫌味を込めて、Whom を使ってみましたけれど。
まあ、ちょっと話しただけでも、相手の性格だとか状況がなんとなく伝わってくるのが電話。考えてみれば、ちょっと怖い道具でもありますね。
だから、あんまりぶっきらぼうにするのも避けた方がいいかもしれません。
ちなみに、電話をかける call は、神様の呼びかけにも使うみたいですね。この call 転じて calling は、「天職、神に定められた使命」という意味なんですね。