English words
英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2006年07月24日

ちょっと中休み

日本でも、子供たちは夏休みに入りましたね。

そこで、英語のレッスンはひと休みして、ちょっとおしゃべりをいたしましょう。

今年の4月、わたしの姪っ子が、中学校に入りました。中学からは、英語が始まります。だから、彼女はたいそう不安がっていました。

ある日、彼女のお母さんから、何かアドバイスをしてくださいと頼まれました。だから、姪にお手紙を書きました。

結果的には、ちょっと難しすぎて、彼女にはちんぷんかんぷんだったようですが、それは、最初からわかっていたことでした。だって、何も習っていないうちは、何を言われても、まったく想像がつかないから。
 だから、わたしも、手紙の最後にこう書きました。今のうちは、何のことだかわからないけれど、あと何年かたって読み返したら、きっとわかるよって。

手紙には、こう書きました。英語をお勉強と思わないでねと。英語は、人が話す言葉なんだから、数学とかのお勉強とは違うんだって。
 新しい文章を習ったら、できるだけそれを声に出して読んで、丸のまま覚えましょうって。

まあ、人によって、得手、不得手はありますが、文章をそのまま覚えれば、単語も自然に頭に入るし、文型もSVOCみたいな複雑な規則を意識しないで、自然に頭に入れることができます。

少なくとも、わたしには、このやり方が合っていました。


わたしは、中学校から英語を始めました。それまでは、「ABCの歌」くらいは知っていましたが、あとは何も知りませんでした。

だから、中学校に入ったとき、英語の授業がとっても新鮮で、一番好きな授業となりました。

幸い、1年生から3年生まで、素敵な女性の先生が一貫して受け持ってくれたので、余計に英語が好きになったのかもしれません。順子先生っていいました。発音のきれいな先生でした。
 なぜだか、英語のお話なんかよりも、彼女が子供時代に過ごした寒い韓国のお話をよく覚えています。子供の頃は貧しくって、家の中に冷たい風が吹き込んでいたって。


わたしは、日本語でも英語でも、文章を書くのが大好きです。

子供の頃から、好きだったみたいです。小学校の頃、作文で褒められたことがありました。運動会のかけっこについて書いたのですが、「すぐうしろに、ハッハッと、誰かの息遣いが聞こえた」と表現したら、臨場感があって、非常によろしいと褒められたのです。

なんとなく、それが嬉しかったのか、ずうっと、いろんなことを書き綴っていました。学校の宿題なんかではなく、書きたいことを自由に書く、それがいいのかもしれませんね。


大学の頃、真面目な英語の試験がありました。2年生(sophomore)から3年生(junior)に進級するには、この試験を通らなければなりません。カリフォルニアの州立の大学は、これが義務となっていたのです。
 試験科目は、数学と英語でしたが、数学に比べて、英語の難しいこと。文法と読解のセクションと、エッセイのセクションがありましたが、文法・読解の方が、いやに難しかったような記憶があります。

きっと、この試験をパスできたのも、エッセイがあったからかもしれません。

実は、試験の前日、一番怖かったのがエッセイでした。だって、こんな噂が流れていたからです。「去年のエッセイの課題は、メディテーション(瞑想、meditation)だったらしいぜ」。
 え、瞑想なんて、やったことないのに・・・

幸い、実際のエッセイの課題は、もうちょっと現実的なもので、「なぁ~んだ」と拍子抜けしたくらいでした。だから、比較的すいすいと書けたのかもしれません。
 拍子抜けしたついでに、課題がいったい何だったかは、今ではまったく覚えがありません。


似たような、恐怖の英語の試験を、もう一度体験しました。フロリダ州で、大学院に入る前です。

アメリカの大学や大学院に入るには、全国共通テストを受けるのが習わしとなっていますが、わたしの学科では、GRE(Graduate Record Examination)という大学院の試験が必須でした。

GREは、言葉(verbal、英語のテスト)、数量(quantitative、数学のテスト)、そして、分析的記述(analytical writing、エッセイテスト)の3つに分かれています。
 エッセイはおまけみたいなもので、結果は、英語と数学の点数となって表れます。(写真は、GREの教則本です。いまだに、後生大事に持っています。)

まあ、日本人ですから、結果は、アメリカ人とはまったく逆のパターンとなります。英語の悪さを、数学で救うというパターン。
 だいたい、平均的に英語600点対数学400点とすると、わたしのは、300点対700点といった感じ。

なんといっても、驚いたのが、英語の難しさ。類似語探しの単語なんて、ほとんど聞いたこともありませんでした。「まったく、歯が立たない」というのは、こういうことを言うんですね。
 わたしは大学を出たあと、一旦日本で外資系コンピュータ会社に入ったのですが、そのとき受けたTOEICという試験では、900点を越えていました。これは、わりといい点数なんですね。けれども、そんなことは、まったく関係がありませんでしたね。

このときも、エッセイのテストで救われたような気がしてなりません。それから、「来る者は拒まず」という態度の学校にも。


そして、そのときから、開き直ったのです。

どうせわたしは、ネイティヴスピーカーじゃないんだから。アメリカ人のように、英語がうまくなくて当然なんだって。
 ちょっとボ~ッとして見えても、あちらは、生まれた頃から英語をやってるアメリカ人。かなうわけないじゃないって。

それよりも、これだけ英語ができることを誇りに思おうって。そして、アメリカ人に褒めてもらおうって。

まあ、カリフォルニアに生活していると、アジア系アメリカ人が多いせいで、「自分も早く、アジア系アメリカ人のようにならなくっちゃ!」と、妙なあせりを感じてしまうのです。

けれども、フロリダで過ごした日々は、そうじゃないんだよって教えてくれたような気がします。

あせらなくっても、いいんだよって。


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