I give you my word(お約束します)
「形容詞は、自分の感情や物事の様子をうまく表してくれるので、できるだけたくさん知っていた方がいいでしょう。言い換えれば、英語を勉強する上では、形容詞がキーとなるのではないでしょうか」と。
たとえば、A is B 「A は B である」という文章。
この中で、B の部分がちんぷんかんぷんでは、なかなかコミュニケーションは進まないですものね。
そんな形容詞のお話のときに、ついでにこんなことも書いてみたのでした。
「それ(形容詞)に比べると、日常会話に出てくる動詞なんて、have とか get とか take とか、いつも決まったものしか使っていないような気もするのですよ」と。
そうなんです。きらびやかな形容詞に比べて、普段使っている動詞は、ちょっと地味かなぁとも思うんです。
でも、地味だからこそ、使い方をきっちりと把握していないといけない、とも言えるんですけどね。
というわけで、今回は、「地味な」動詞のお話をいたしましょう。
まずは、こちら。
I give you my word.
動詞 give は、「与える、あげる」という意味ですので、「わたしは、あなたに言葉をあげましょう」??
なんか変ですよね。
実際には、「わたしは、あなたにお約束しますよ」とか「保証しますよ」という意味になります。
慣用句 give ~ my word で、「わたしは、~(人)に対して約束する」といった意味に変身するのです。
I give you my word I won’t make the same mistake twice.
「わたしは、同じ過ちは二度と繰り返さないことをお約束します」
お~、なんとも立派な約束ですねぇ。
「約束する」という意味では、動詞 promise と同じですが、こういう言い方をすると、なんだかもっとすごい約束をしているようにも聞こえるのです。
そして、こちらも、同じような意味になります。
You have my word.
「あなたは、わたしの言葉を持っている」転じて、「あなたにお約束いたします」。
こちらが言ったことに対して、相手が何かしら疑いのまなざしを投げかけてきたら、すかさず、こう言ってあげればいいのです。
You have my word on it.
「(それについては)わたしが保証しますから、どうぞ安心してください」
ちょっと気取った言い方になりますが、こんなものもありますね。
Consider it done.
この場合、動詞 consider は、「~と解釈する」という意味合いになります。
ですから、相手に対して「もうできたものだ(done)と解釈してくださって結構ですよ」と宣言しているのです。
簡単に言うと、「わたしが請け負いました」「承知いたしました」という意味になるでしょうか。
ちなみに、it というのは、その前に会話に出てきた事柄をさしますね。
たとえば、「明朝の営業会議は、君が音頭取りをしてくれよ(I want you to lead the sales meeting tomorrow morning)」と、上司に頼まれたこととか。
こういうときには、胸を張って、宣言いたしましょう。
Consider it done!
「承知しました!」
というわけで、動詞 give と have、そして、ちょっと気取った consider が出てきました。
お次は、get にいきましょう。
I get it.
一番簡単な構文ですが、シチュエーションによっては「わかったよ」という意味になります。
動詞 get は、「~を手に入れる」という意味ですが、「わたしは、それを手に入れる」転じて「理解する」といった意味合いにもなるのです。
たとえば、相手がくどくどと説明しているとき、ひとこと言うのです。
OK, I get it.
「もうわかったよ(だから、その話はもういいよ)」
一方、別の場面では、I get it は、違った意味にもなりますね。
たとえば、玄関のチャイムが鳴って、「わたしがドアを開けましょう」と意思表示する場合。
または、電話が鳴って、「わたしが受話器を取りますよ」と言いたい場合。
こういう場合の get は、実際に「~を手にする」という意味で使われていますね。
I get it.
「わたしがドアを開けましょう」「わたしが受話器を取りましょう」
まあ、文章が単純なので、いろんな場面で使えるということでしょうか。
それから、「わかる」の意味の I get it と似たものに、こんなものもあります。
I got you.
「あなたの言っていることがわかったよ」
ここで「わたしはあなたを獲得した」というのは、「あなたを理解した」という意味に変化するのです。
ここで誰かを捕まえたときには、実際に「あなたを獲得した」という意味になるでしょう。
I got you!
「捕まえた!」
そして、こういうのもありますね。
Gotcha!
こちらは、I got you の省略形で、発音は「ガッチャ」という風になります。
「わかった」という意味でも、「捕まえた」という意味でも、両方に使えます。
でも、同じ「捕まえた」でも、比喩的に「いたずらで捕まえた(いたずらにひっかけてやった)」といった感じにもなるでしょうか。
Gotcha!
「や~い、ひっかかったぁ!」
はたまた、まったく違った意味になることもあるでしょう。
I got you.
「あなたを守りますよ」
こういう意味合いで使うときには、こんな言い方もしますね。
I got your back.
こちらは、「あなたの背中を手に入れた」転じて「あなたを守ってあげよう」という意味になります。
なんとなく、「あなたが背後から何者かに襲われるのを守ってあげましょう」と言っているような感じがするでしょう。
似たような表現に、こんなものもあります。
I got you covered.
「あなたをちゃんとカバーしている(守っている)」
やっぱり「あなたが襲われるのを守ってあげましょう」みたいに聞こえてくるのです。
でも、実際は、必ずしも「裏社会」の恐~い場面だけではなくて、「ちゃんと見守っているから、安心してね」と、相手を安堵させる言葉でもあるのです。
すぐそばにいるから、安心してチャレンジしてみてください、みたいなニュアンスでしょうか。
というわけで、「地味な」動詞ですが、簡単なものほど、いろんな意味に変身するのです。
今回ご紹介したものは、まだまだ氷山の一角ですので、いつかまた違った動詞の使い方をご紹介いたしましょう。