Essay エッセイ
2006年05月11日

ギリシャに思う

突然ですが、5月8日ギリシャに到着しました。今は、アテネに滞在中です。

ヨーロッパは3年ぶりですが、今回の旅は、真夏になる前にギリシャに行きましょうと、一年ほど前から計画していたものなのです。

アテネのあとは、エーゲ海に浮かぶミコノス島、サントリーニ島、クレタ島と移動する予定です。


実は、ギリシャとは、わたしにとって思い入れのある国なのです。それは、アメリカで最初にお友達になった人が、パノスという名前のギリシャ人の男の子だったからです。とってもおとなしい、女の子みたいな優しいしゃべり方の人でした。ちょっとギリシャ訛りはきついけれど、意志相通には何の問題もありませんでした。あの頃は、こちらだって英語はしどろもどろだったので、お互い様だったのです。

そんなパノスの国に、初めてやって来たのでした。この国は、それこそ、いろんな血が混じっている場所のようです。金髪の人、東欧のように黒っぽい髪の人、中近東系の面立ちの人などさまざまです。パノスみたいに、髪の毛の黒っぽい人はたくさんいます。

でも、パノスと違っていたのは、みんな結構議論好きなところでしょうか。言葉がまったくわからないので、何をそんなに主張しているのかはわかりませんが、黙ったままでは終わらないぞ、そういった印象なのです。パノスのあのおとなしさは、いったいどこから来たのでしょうか。

パノスがはたしてどこの出身だったかは覚えていませんが、少なくとも、アテネではなかったのかもしれません。

それでも、パノスの訛りはどこから来たのか、よく理解できました。ギリシャ語の響きは、イタリア語に近いのかなと勝手に想像していましたが、実際は、ロシア語に近い印象です。つい先日、ハンガリーに行った連れ合いは、ハンガリー語やルーマニア語などの東欧の言葉に近いとも言っています。

ちょっと巻き舌っぽい響きが、妙に耳に残るのです。もしかしたら、こういった響きだから、熱っぽく議論しているように感じるのかもしれませんね。


アテネに来て丸三日ほどになりますが、ここのお気に入りは、なんといっても丘の上のアクロポリス。かの有名なパルテノン神殿がある聖域です。
 とくに、夜ライトアップされた神殿は、幻想的で素敵です。そして、上からは、アテネっ子の生活をじっと見守っているようでもあります。

このアクロポリスでは、1983年から復元プロジェクトが進んでいて、今も丘の上では、石工さんたちが大理石を切り出しては、柱や屋根を修復しています。

昔のものに誇りを持ち、大事に保護する、そんな気持ちがあちこちに表れているようです。
 
 それでは、また旅行記を書き綴ることにいたします。


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