日本のお巡りさん、がんばる
ここは、旅先の長崎の街かど。
こんな静かなところにパトカーは不似合いです。
パトカーの中には、お巡りさんがいません。
勇ましく防弾チョッキに身を包んだ女性警官が、
シャキシャキと歩き回って
あちらこちらと見回りをしています。
どうやら、あるマンションの下で「不審人物を見た」という通報があったのでしょう。
「Police(警察)」の文字を誇らしげに背にする婦警さん、
ビルの入り口を覗いたり、
階段を数段上ってキョロキョロと辺りを観察してみたりと、
忙しく立ち回ります。
ベテランそうなお巡りさんで、
マンションの格納庫のドアを開けては、中に不審人物がいないかをチェック。
もう婦警さんがチェックしたのに、建物の入り口を再確認したりしています。
けれども、辺りには誰もいないので、
「誰か、怪しい人物を見かけませんでしたか?」と。
すると、ドライバーさん、我が意を得たりと、
「あっちへ行って、右の方にフイっと曲がったよ」と説明している様子。
ということは、「お尋ね者」は、すでに遠くへ逃げたのか?
う~ん、それでも、目撃情報をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
ですから、お巡りさんの二人組、まだまだマンションの駐車場を歩き回ります。
歩きながら、婦警さんは、
「現在、不審人物は立ち去った様子です」と、本部に無線連絡をおこたりません。
その間、先に行く先輩警官は、目の前のコンビニに立ち寄り、
コンビニの店員さんにも確認します。
「いやぁ、誰も気づきませんでしたねぇ」という返答だったのか、じきにコンビニから出てくる二人組。
どうやら不審人物は「ガセネタ」だったのか、
それとも、すでに「高飛び」したあとだったのか、
婦警さんは、その旨をテキパキと本部に連絡。
「働き者」の婦警さんも、ようやくパトカーに取り込みます。
いやぁ、ご苦労さまでした。
何事もなくて良かったですが、
こういったお巡りさんのがんばりが、日本全国の安全を支えているんですね。
車の流れに割り込むときには、
まるで緊急に発動するみたいに、赤いライトをぴかぴかしていましたよ。
前回のエッセイでご紹介したアメリカの白バイ隊みたいに、
やっぱり、警察官って「一般市民には使えないワザ」を持っているんですよね。
う~ん、どこの国でもがんばっているお巡りさん、
それくらいの特別待遇は、許してあげましょうか。