とかくアメリカは住みにくい パート2
前回のお話で、アメリカという国は、大変なんだという話をしました。何ごとも一度じゃ絶対にうまくいかないからです。
そして、もうひとつ大変なことは、人によって言うことが違うことです。
電話会社とかケーブル会社とか、そんな日常つきあいのある会社は勿論のこと、警察官だって、人によって言うことが違うみたいです。
何年か前のことですが、会社の大ボスが、いつも行くスーパーの近くで警察に止められたことがありました。どうも運転中にミスをしたようなのです。
「きみきみ、道路の黄色い二重線を越えちゃいけないこと知らないの?」と警官。
「エッ、そうでしたっけ?」と大ボス。
大ボス氏は、黄色の二重線を越え左折したあと、スーパーのあるショッピングモールに入ったのです。どうもそれが、立派な違反らしいのです。
ここでちょっと補足ですが、アメリカは右側通行ですので、両方向の小さな道路で左折するときは、何らかの車線分離線を越えることになります。
カリフォルニアでは、中央分離帯がない場合、両方向の交通を分離する線は黄色で、それには二重の実線と、実線と点線のコンビの二種類があります。
写真が二重線のものです。これがあると、追い越しはできません。一方、内側が点線になっていると、左折と追い越しは可能です。
ちなみに、信号のある交差点には黄色い線などはありませんので、信号の通りに進めばよいのです。
かわいそうに、警官に止められた大ボスさん。「二重線で左折は禁物!という、そんな基本的な交通法規も知らないのか」と説教された挙句、ごていねいにチケットを切られたとか。
大ボスは愚痴を言います。そんな規則、カリフォルニアにはないと思っていたのに。
この話に恐れをなしたわたしは、それ以降、何年も、黄色い二重線を絶対に越えてはいけないんだと信じていました。例のスーパーに行くのだって、二重線越えの左折は避け、遠回りをしていました。
ところが、よく道路を見てみると、絶対に左折が発生する場所でも、ずっと黄色い二重線は続いています。論理的に考えて、これを越えずに左折というのは不可能なのです。
たとえば、この写真の箇所。左には住宅地へ通じる道があり、ここでは左折が発生します。なのに、二重線には切れ目すらありません。
そして、不審に思ったわたしは、カリフォルニアの運転マニュアル(California Drivers Handbook)を覗いてみました。すると、なんと、あの警官がウソを言った事がわかりました。
「黄色い二重線を越えて、他の車を追い越してはいけないけれど、左折するのは構わない」と!
何年も間違いを信じこんでいたわたしも暢気なものですが、それよりも、善良な市民をつかまえてウソをつく警官というのも考えものですね。いや、一般市民が交通法規を勝手に作り出しているのは身にしみていましたが、まさか警察もとは。
カリフォルニアの警察の方々、もっと勉強してください!
おまけ:ちょっと状況は違いますが、以前、お店の人が勝手な自己解釈でものを言っていることを書いたことがあります。
大好きな映画「スターウォーズ」のDVDを追い求め、あちらこちらをさまよったお話です。一番おしまいの「おまけのお話:スターウォーズを求めて」をどうぞ。