あ~、日本に戻りたい!
3週間近くの東京滞在を終え、カリフォルニアに戻ってまいりました。
戻ってみると、日本の寒さはどこへやら。
こちらは、もう春を飛び越え、一気に初夏の雰囲気です。
日差しは強いし、あたりは燃えるような緑。日本で言うと、ちょうど5月くらいの陽気でしょうか。
我が家の八重桜も、まるで、わたしたちが帰るのを待っていたかのように、ひとつふたつと、花を開かせます。
そんなカリフォルニアに戻って来ると、いつも思うことがあるのです。
なんにもおいしくない!牛乳が水っぽい、コーヒーに香りがない、野菜に季節感がない。なんだか、いつも工場で作られたような、画一的なお味。
ああ、日本の桜海老が食べたい。
春キャベツが食べたい。
竹の子の煮物が食べたい!
まあ、唯一ちょっとはおいしいかなって思えるのは、いちごでしょうか。
ロングステムの立派ないちごが、甘味と酸味を兼ね備え、自然の木の実といったお味です。
と、いろいろと口にするものを並べてみましたが、日本が恋しくなるのは、何も食べ物ばかりではありません。
生活の安心が欲しいのです。いえ、治安の話ではありません。家のお話です。
そう、アメリカの家は、壊れ易いのです。
以前も、「とかくアメリカは住み難い」と題して、家にオフィス棚を作ってもらう苦労話をいたしました。が、今回は、壊れたのです。
ちょっと汚い話で申し訳ないのですが、洗濯をしていると、脱水された水が、隣のトイレから逆流してきたのです!
今の家に引っ越して来て、ちょうど10年。半年ほど前も、まったく同じ状況に陥りましたが、幸い、すぐに逆流は治まり、あとは、カーペットの大掃除くらいで済みました。ところが、今回は、勢いが違う!
結局、水道管屋さん(plumber)を呼び、原因追求してみると、下水管(sewer)がかなり詰まっていたのです。まあ、10年の生活が蓄積したのでしょうが、我が家は、たびたび留守にする。それもいけなかったようですね。
さらに、水道管屋さんが、下水管の診断を勧めるので、胃カメラのお化けみたいなものをずんずん通してみると、家の前庭の方で、下水管にズレ(offset)が生じているとのこと。
ズレが生じると、これは危ない。木の根っこが下水管に食い込んで、いずれは、下水管をふさいでしまうだろうと!実際、モニターで観てみると、すでに木の根っこがグイッと侵食しているのです、10年の間に・・・水を求めて・・・
おっと、この話、どこかで聞いたことがある!
市内に住むお友達が、まったく同じことを言っていたのです。前庭にとっても大きな木があって、根っこが半ば下水管をふさいでいる。だから、定期的に、下水管のお掃除をしてもらわないといけないって。
で、どうして、そもそも、下水管にズレが生じるのでしょう?なんでも、地震によって、地面が動くからだとか。カリフォルニアは、地震大国ですからね。
でも、それなら、同じく地震大国の日本では、どうなのでしょう?下水管がズレて、木の根っこが食い込むなんて聞いたことあります?
う~ん、わたしには、なんとなく、アメリカの工事技術のいい加減さにしか思えないのですけれど・・・
それに、修理に来てもらうと、いろいろとアフターケアも必要なのですよ。
我が家の場合は、下水管を直して、新たに掃除口を設けるのに、30万円かかるとおどされた上に、外したトイレの再設置が下手くそで、もう一度、設置をやり直さなくてはならなくなったんです。おまけに、壁には、大きな傷をつけてくれるし・・・
ひとつ直すと、さらに問題が出て来る。それが、アメリカ流修理でしょうか。
いっそのこと、下水管に悪さをしている木を切ってしまいましょうか?
いえいえ、それは、かわいそう。
せっかく、ここまで大きく育ったのですから。
まあ、フロリダに住んでいた頃から、水の受難には慣れっこになっている我が家です。けれども、そろそろ、何の心配もない生活をしてみたいものですね。
そう思って、がっくりきていると、お向かいさんが陣中見舞いに来てくれました。そして、こう言うのです。
You wish you were still there, don’t you?
ああ、まだ日本にいたかったぁって思ってるでしょ?
まさに、大当たりです!