Life in California
ライフ in カリフォルニア/季節
Life in California ライフ in カリフォルニア
2007年05月19日

春の動物たち

いったい何時ごろだったのでしょうか。

耳元で誰かがささやく声がして目が覚めると、あたりはかなり明るくなっていて、外からは鳥のさえずりが聞こえてきます。
 まったく聞いたこともない言葉だったので、とても不思議な気がしたのですが、まだ起きる時間じゃないからと、もう一度目を閉じました。

次に目覚めた音は、小鳥のさえずりでした。どうやら、ベッドルームの窓にしがみついて、ピーピーと一生懸命に鳴いています。時にくちばしがコンコンと窓ガラスに当たり、知らないうちにノックのようになっています。


春になって、雨季も終わりを告げる頃になると、我が家のまわりには、いろんな動物たちが姿を現します。

一番たくさん見かけるのは、やっぱり鳥でしょうか。

数えたことはありませんが、それこそ、何十種類という鳥たちが現れます。きっと野鳥の会の方々だったら、望遠鏡を片手に、日がな一日、飽きることなく鳥たちを観察なさることでしょう。

こちらは、水を飲みに現れた小鳥さん。名前はわかりませんが、珍しくアップで撮れました。

目のまわりが白くて、かわいいのです。


こちらは、チョウゲンボウ(Kestrel)。

小形のタカなんですが、まだまだ自然の残る、近くのアルマデン(Almaden)の谷間でよく見かける鳥です。
 この日は、珍しく、裏庭にさっそうと姿を現しました。

何年か前は、こんなこともありました。

やっぱり今朝のように、窓のすぐ外に鳥がしがみついていたらしいのですが、この時のお相手は、啄木鳥(きつつき)。

まるで、ドリルでコンクリートに穴を開けるような、すさまじい音がしています。いくら熟睡している人だって、絶対に目を覚ますような、高らかな響き。

こちらは、家に穴を開けられたらたまらないと、内心ヒヤヒヤしていたのですが、間もなく音も止み、他の家に飛んで行ったようでした。
 そして、遠くの誰かさんの家から、またドリルの音が聞こえてきたかと思うと、じきに、その高らかな連続音も止んでしまいました。

どうやら、いくら啄木鳥さんといえども、しっくいで固めた外壁には、歯が(くちばしが)立たなかったようです。

その翌年からは、ドリルの音は、もう聞こえなくなったのでした。先日、「あ、啄木鳥だ!」と思ったときは、本物の工事現場の騒音でした。


以前、まわりには、ワイルドターキー(野生の七面鳥)やうさぎがいるというお話はいたしましたが、ちょっと恐い動物も住んでいるのです。

それは、コヨーテです。

前回、我が家のちょっと南は、「コヨーテ・バレー」と呼ばれている谷間だとご紹介したところでしたが、いまだに、我が家のまわりには、コヨーテが生息しているのです。

どうやら、このような小川のまわりを住処としていて、人間を横目にタッタッと闊歩しています。少しは人に慣れていて、共存のすべを知っているようです。

コヨーテなんて聞くと、すごく恐そうですが、実際に見てみると、そんなに恐ろしい感じはしないものですよ。なんとなく、耳の立った小形の犬とも、狐とも見受けられる風貌で、あんまり凶暴な感じはしないのです。(残念ながら、いまだに写真を獲ったことはありません。)

それでも、飼いならされた動物とは違っていて、以前は、春先の深夜ともなると、決まってコヨーテの遠吠えの大合唱が聞こえていましたし、犬や猫の飼い主たちが、コヨーテに噛まれて怪我をしたペットの話をしていたものでした。

普段は、野生のうさぎさんを食べているのでしょうか。一度、裏庭に、うさぎの前足が落ちていたことがありました・・・


まあ、そんなコヨーテ様ご一行ですが、近年は、宅地開発の影響で、だいぶ減ってきたみたいです。

先日の土曜日、普段は絶対に姿を見せないような大きな道路を、昼の日中に、のそのそとひとりで歩いているコヨーテを見かけました。
 毛皮はかなり白っぽく、痩せこけて見えたのですが、これは、年齢のせいなのでしょうか、それとも食べ物が足りないせいなのでしょうか。

そのゆっくりとした歩き方に、ちょっと心配してしまったのですが、こういうときに限って、カメラを持ち合わせていないんですよね!


ま、コヨーテも自慢のご近所さんではありますが、春の訪問者としては、カリフォルニア州の代表選手もいるのです。

そう、カリフォルニア・クウェール(California Quail 、学名 Lophortyx californica)。

何を隠そう、カリフォルニアの州の鳥(Sate Bird of California)です。

クウェールというのは、ウズラの仲間のことですね(そう、よく高級レストランのメニューに出てきますよね。でも、カリフォルニア・クウェールは食べられないと思いますよ)。

名前の通り、この鳥は州内に広く生息しているそうですが、19世紀、初めて白人たちに「発見」されたのは、南カリフォルニアのサンタバーバラだったとか。

我が家のまわりでは、近くの自然道の脇に住んでいるようですが、天気のいい日にここを通ると、必ず一羽は見かけるのです。


彼らは、冬の間は群れて生活しているそうですが、春ともなると、こんな風にカップルになって行動し、あちらこちらをお散歩し始めるのです。

普段は、あまり飛ばないので、ほんとに「お散歩」といった感じで歩き回るんですよ。ちょっと大きい方が、オスだそうです。

我が家でも、裏庭でチチチッという鳴き声がしたかと思うと、ふたりで仲良く餌探しなんかをしています。

でも、警戒心は強いので、動きもかなり素早く、写真を撮るのが難しいのです。

アップで見ると、こんな感じです。

そう、一番の特徴は、頭の上にちょこっと付いた「とさか」なんですね。
 これを見たら、カリフォルニア・クウェールだと思って、まず間違いはないでしょう。


ある日、またいつものように、チチチッという鳴き声が聞こえたので、カメラを準備して、外を覗きました。

すると、鉄柵の四角い枠に、ウズラちゃんがしっかりはまっているではありませんか。

う~ん、なんとなく、「お座り」っていう感じですよね。きっと、ここにいると、安全な気がするんでしょうねぇ。

で、このウズラちゃんが見つめている先は・・・

誰だかわからないけれど、違った種族の小鳥ちゃんでした。

当のウズラちゃん、なんとなく、敵対心を燃やして眼を飛ばしているようでも、仲良く話し掛けようとしているようにも見えますよね。

でも、お相手の小鳥ちゃんは、「我関せず」って感じで、そっぽ向いてますけど・・・


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