V-Day vs. SAD
なんとなく、暗号みたいな題名で申し訳ありません。
今日は、「V-Day」と「SAD」のお話です。
V-Day というのは、Valentine’s Day のこと。
つまり、日本でも気になる「ヴァレンタインデー」。
今まで、何回かヴァレンタインデーにまつわるお話を書いてきましたが、アメリカでも、ヴァレンタインデーが近づくとソワソワする人が多いですね。
日本と違うところは、女性が「どんなチョコレートにしようかしら?」とソワソワするよりも、男性が「何をプレゼントしようかな?」とソワソワするところでしょうか。
そう、アメリカでは、ヴァレンタインデーに贈り物をするのは、圧倒的に男性の側!
女性陣は、「彼は何をくれるのかしら?」とウキウキしていればいいのです。
近頃、彼女は、真っ赤なバラの花では満足しなくなってるし、プレッシャーは、彼の肩にズシリと乗っかっている!
そして、近頃、ヴァレンタインデーに流行っている妙なことと言えば、サンフランシスコの「まくら合戦(pillow fight)」があるでしょうか。
その名も、「サンフランシスコの大まくら合戦(Great San Francisco Pillow Fight)」。
アメリカ人って、子供たちの「お泊まり会」なんかでも、まくらを使って叩き合いのお遊びをすることが多いのですが、サンフランシスコでは、それをヴァレンタインデーの日に大人がやるんです!!
ヴァレンタインデーの夕方、金融街近くのジャスティン・ハーマンプラザには、まくらを手にした人たちが集まってきて、近くのフェリービルの時計が午後6時を告げると、みんなで一斉に「まくら合戦」を繰り広げるのです。
あれだけ羽が飛んだら、呼吸なんてできないんじゃないかしら?
と心配になるくらい、辺りは白一色!
今年で8回目というこの奇妙なイベントには、カップルで参加する人も多いのですが、やっぱり日頃のうっぷんは、お腹にためないで、まくら合戦なんかで発散した方がいいみたいですね。
そのあとは、みなさんスッキリした顔になっています。
(Photo of Great SF Pillow Fight by Jonathan Nackstrand, from KPIX-TV’s Web site)
一方、題名にもなっている「SAD」の方は、なにやら新しい習慣だそうです。
わたしも、こちらの新聞記事を読むまで知らなかったのですが、SAD というのは、Singles Awareness Day の略称。
Single(s) は、カップルになっていない人のこと。
Awareness は、認識すること。
つまり、Singles Awareness Day とは、シングルであることを認める日。
(Article of Singles Awareness Day from the San Jose Mercury News, February 14, 2013)
自分がシングルであることを誇りに思うことでもあるでしょうし、誰かがシングルでいることを尊重してあげることでもあるでしょう。
だって、ひとくちにシングルと言っても、「カップルにはなりたくない」人だっているでしょうから。
SAD は、ヴァレンタインデーの日か翌日の15日、または前日の13日とされているそうですが、いずれにしても、世の中がヴァレンタインデーで浮かれているときでも、シングルの人がいることを認識しましょう! という日。
SAD なんていうと、「悲しい」という意味の形容詞 sad を思い浮かべますが、実は、それとは反対に、「悲しむ必要なんてないよ!」という日なのです。
ヴァレンタインデーの日に、なんとなく「のけ者の気分になった(feeling left out)」大学生のダスティンくんがつくったと言われているそうですが、べつに、この日に何をしなければならないという規則はありません。
ただ、世の中にはヴァレンタインデーを祝わない人がいることを思い起こせばいいのです。
ですから、シングル同士で集まったり、プレゼント交換をしたり、一緒にどこかに出かけたりするのもいいでしょう。逆に、何もしないでボ~ッと過ごすのもOKなのです。
今の時代、ソーシャルネットワークでは「こんな素敵なことがあったよ!」と報告するのが、半ば義務化しているではありませんか。
そんなプレッシャーは、まったくゼロ!
というわけで、「V-Day」と「SAD」のお話でしたが、わたし自身のヴァレンタインデーは、例年通り、やっぱりひとりでした。
いつもの年は、「出張のペナルティー」として、お花とクマさんのぬいぐるみが送られるのですが、今年は、とくに多忙だったと見えて、予約が間に合わなかったとか。
急に春めいてきて、あちらこちらにお花が咲き始めた、今日この頃。家の中に花粉が舞うと、もっと頭が重くなりそうで、お花なんて欲しくはありません。
それよりも、お隣さんにちゃんとお花は届いたかな? と気にしていました。
50年以上連れ添ったご主人を亡くされた、お隣さん。
窓に差し込む陽光が引き立つようにと、ピンクと白の明るいフラワーアレンジメントを選んでみたのでした。
ほんの少しでも楽しんでいただければいいのですが。そんな心の余裕が芽生えていればいいのですが。