屋根の修理の原因は?
その乾いた季節に、屋根を直そうと、屋根屋さん(roofer)に来てもらいました。
イヤな話ですが、今まで雨漏りは2回経験していて、2回ともちゃんと直してもらったので、大きな問題はありません。
でも、屋根瓦(roof tile)にひび割れ(crack)ができたので、早めに直そうと思ったのでした。
で、そのひび割れの原因は、屋根の上の「訪問者」だと思うんですよ。
まずは、ワイルドターキー(wild turkey)のご一行様でしょうか。
そう、野生の七面鳥ですね。
彼らは、いつも徒党を組んで、のっしのっしと辺りを散歩したり、裏庭の柵で羽を休めたりしています。
こちらは、グループ行動の「ふたり」ですが、左がオスで、右がメスでしょうか。
どうやら、オスが気に入ったメスを見つけて、ちょっかいを出そうとしているみたい。
ときに、ご一行様は、人の屋根に上がってご満悦なんですが、どうしたものか、屋根の上を「遊園地」と勘違いしているんです。
とくに冬の朝早く、辺りにモヤがかかっている頃、みんなでエイヤァ! と屋根に飛び乗っては、バタバタと走り回る。
以前も、そんなお話をご紹介したことがあるのですが、まだ人が寝入っているときに走り回るものだから、瓦がポリンポリンときしむ音で、起こされるのです。
あんなに重くって、爪の鋭いのが、みんなで走り回ったら、
どんなに頑丈な瓦だって、ひびが入るでしょうって。
それから、カラスもいるんです。
我が家にやって来るカラスは、ちょっと困りもので、煙突の土台の辺りを、鋭いクチバシでトントンとつっつくんです。
屋根って、あまり気にしたことがありませんが、いろんな「煙突」があるんですよね。
一番大きいのは、マキをくべる暖炉(fireplace)の煙突ですが、その他にも、空気穴みたいなのがたくさん立っています。
で、煙突も土台も金属でできているので、カラスがつっつくと、カンカンと音が鳴り響くのです。
そんな音を聞いていると、こっちは、穴があいて雨漏りの原因になるんじゃないかと、気が気ではありません。
あれは、金属が気に入って盗もうとしているのか、それとも、カンカンという音が気に入って、しつこくつっついているのか、理由はわかりません。
でも、とにかく、カラスくんは煙突が大好きで、しょっちゅう訪れるんです。
いつか、そんなカラスくんを追い払おうと、煙突の直下の壁をトントンと叩いてみたんですよ。
すると、あちらもトントンと煙突をつついて、応答するんです!
まるで、トントンという音が、「モールス信号」みたいにコミュニケーションの手段になっているではありませんか!
それ以来、へたにカラスくんと友達になってはいけないと、彼を無視することにしました。
でも、つい先日、ゴロゴロと何かが屋根を転がり落ちる音で、目覚めたことがありました。
そのあと、カア、カアとカラスくんが鳴いて(泣いて?)いたので、何かに使おうと思って口にくわえていた「石ころ」を、間違って落っことしたのかもしれません。
カラスは賢いので、石だって道具に使うそうですね。たとえば、クルミの殻を割るのに、木の上から石を落っことしてみたり。
とは言うものの、この石ころのおかげで、瓦にひびが入ったかも・・・。
そんなわけで、屋根屋さんを呼んで、ひび割れた瓦を入れ替えてもらったら、全部で20枚も交換したそうです。
もちろん、中には、屋根屋さんが踏んでできた「ひび」だとか、雨どいの掃除(gutter cleaning)のときにできた「ひび」だとか、人間が原因のひび割れもあると思います。
でも、おおかたは、ワイルドターキーやカラスといった、野生の生き物のシワザだろうと想像するのです。
ところで、屋根の修理をしてもらって、あきれたことがあったんです。
それは、屋根屋さんが発見してくれた、我が家の雨漏りの原因。
我が家には小さな「離れ(casita)」があって、2、3年に一度、大雨の時に限って、天井の照明の辺りに雨漏りが起きるんです。
それを聞いて、「暖房でできた結露(condensation)が、ライトを伝って落ちてきたんじゃないの?」と言う屋根屋さん。
でも、結露みたいな水滴だったら、バケツに半分もたまることはないでしょう。
そこで、屋根裏まで上がって見てくれたんですが、なんと、屋根に突き刺さった空気穴(ventilation pipe)から雨粒が入ってきて、天井の照明のまわりで、雨漏りがしていたとか!
我が家が建ったとき、施工業者には、「離れにはオプションとしてバスルームを設置できるよ」と言われていたんですが、もともと小さい部屋が狭くなるので、バスルームは作らなかったんです。
で、そのバスルーム設置のために、換気用のパイプを屋根に刺してあったのですが、単に「スポンとした」パイプなので、ひどく雨が降った時に、そこから雨粒が入ってきて、ライトのまわりからポタポタと落っこちていたんです。
だから、「換気パイプのふた(ventilation cap)」なるものを購入して、修理のときに取り付けてもらったのでした。
なんでも、クリクリっと締める「ねじ式」のタイプと、工事用ボンドでくっつける「キャップ式」のタイプがあるそうで、両方買ってみたのですが、後者は、実際に換気パイプを使用するときにパイプを切らないといけなくなるので、「ねじ式」を使ってもらいました。
ほら、なんとなく「ねじ」の部分が見えているでしょう。
それにしても、我が家に引っ越してきて20年近く、ずうっと「原因不明」の雨漏りでした。
もしかすると、引っ越してすぐの雨漏りは、これが原因だったんでしょう。でも、そのときの屋根屋さんは、それなりに「原因」を見つけて、修理して行きましたけれどね・・・。
「もしも換気パイプを使うことがなければ、キャップをしなさいよ」と、どうして施工業者が最初に教えてくれなかったんだろう?
と、うらめしい出来事ではあったのでした。
(まあ、なんともアメリカらしいお話ではありますけどね)