Kaboom!(「カブーン」という爆発音)
前回の英語のお話では、音や様子を真似る表現をご紹介いたしました。
とくに、わたしが好きなのは、crinkly 。
葉っぱや花びら、髪の毛がクリクリした感じですが、
クリンクリーという発音が、「クリンクリンの」という日本語にうまくマッチングしているのでした。
それで、擬音語や擬態語となると、日本語に比べて臨場感に欠ける面はありますが、英語にも、直接的に音や様子を表す言葉はあるんです。
やはり、漫画や子供向けの番組などでは、ストレートにわかってもらえるような、直接的な表現がたくさん使われます。
Kaboom!(カブーン)
こちらは、何かが爆発したときに使います。
爆発といえば、物騒な爆弾ばかりではなく、
夏の夜空を彩る花火も、Kaboom ! と表現します。
同じく爆発音は、
Boom!(ブーン)
と表現するときもあります。
花火には、Kaboom と Boom どちらも使われるでしょうか。
こちらの新聞では、7月4日の独立記念日の花火に Boom ! を使っています。
本来は「星条旗の赤、白、青」を表す Red, White and Blue ですが、
Red, White and Boom! と言い換えています。
この独立記念日の花火の言い方は、かなりポピュラーになっています。
Kaboom と Boom の語尾の「m」の発音ですが、口を閉じるだけなので、「ム」というよりも「ン」に近い音でしょうか。ですから、「カブーン」「ブーン」と注釈をつけてみました。
同じく直接的な音の表現では、こちらも代表格でしょう。
Bang!(バン)
バーン! という大きな物音
誰かがピストルを撃ったときの銃声などに使います。
銃声が何発も連続して聞こえたときには、パパパパパと表現する人もいます。
Bang!は、何かが弾(はじ)けた音や様子に使いますが、宇宙が誕生したときの「ビッグバン」は、the Big Bang と書きますね。
何も無いところから宇宙が誕生し、急激に膨張していった。それが「巨大な炸裂」というわけです。
それから、あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、
thump という表現もあります(舌をかんで「サンプ」と発音)。
こちらは、何かしら鈍い「ドスン」という物音になります。
漫画の中で、Thump!(ドサッ)と擬音語に使われることもあります。
こういう風に使うときもあります。
I heard a loud thumping noise from our sprinkler system
庭のスプリンクラー(自動水撒き機)から、ドスンという大きな物音がした
まさに鈍器で叩いたような音やバサバサとこもった(muffled)音を指しますが、thump は動詞なので、thumping noise という風に「ing」を付けて使うことも多いです。
そして、thump という言葉は、心臓がドキドキと鼓動する様子にも使います。
His heart thumped with excitement
彼の心臓は、喜びで鼓動を速めた
という風に使います。
それから、ちょっと詰め込みすぎかもしれませんが、擬態語風の形容詞をいくつかご紹介しておきましょうか。
こちらは、fluffy(フラッフィー)といいます。
I like light and fluffy snow when I ski
スキーをするときには、軽くてフワフワした雪がいいわ
フワフワとフラッフィー。こちらも、「フ」で始まる軽い音で、なんとなく似ているでしょうか。
一方、雪が溶け始めて、シャバシャバになった状態
こちらは、slushy(スラッシー)といいます。
Snow got slushy after rain
雨が降って、雪がシャバシャバになっちゃった
もともとは slush(スラッシュ)という名詞からきていますが、雪や氷に水が混ざって、シャバシャバ、ドロドロしたものを指します。
冬の slush は、雪が溶け始めた状態のことですが、夏になると、slush と呼ばれる食べ物が人気です。
こちらは、かき氷と飲み物(ジュースやアルコール飲料)をミキサーで混ぜたり、ジュースを凍らせたあと、少し解かして食べたりする、冷たい食べ物(飲み物)のこと。
日本でも、「カルピスにフルーツを混ぜて凍らせ、ちょっと解かしていただいたら美味しいですよ」とコマーシャルが流れていますが、ちょうど、そんな感じでしょうか。
やはりここでも、シャバシャバとスラッシュは、ともに「S」の音のイメージなんでしょう。
それから、モサモサした感じ
こちらは、mushy(ムッシー)といいます。
本来は、バナナやマンゴーには、みずみずしさがありますが、熟れ過ぎて水分が飛んでしまったら、モサモサした感じになりますよね。
こういうのを mushy と表現します。
モサモサとムッシー。はっきりとしない噛みごたえには、「M」の音を思い浮かべるのです。
というわけで、話題をギューギュー詰め(jam-pack)にしてしまいましたが、英語にも直接的な擬音語はありますし、擬態語などは、日本語の発音に通じるものがある、というお話でした。
ちょっと余計ですが: 面白いもので、上に出てきた slushy と mushy は、普通はまったく意味が違いますが、両方とも sappy(サッピー)という言葉の言い換えにも使えます。
この sappy という形容詞は、「甘ったるい」「感情的すぎる」といった意味ですが、要するに「見ていて、こっちが気恥ずかしくなるくらい」といった感じ。
たぶん、「甘ったるい」というのは、ベチャベチャ(slushy)して、モサモサ(mushy)しているのでしょう。
それから、氷が「とける」氷を「とかす」の漢字ですが、報道各社も使い方はバラバラだそうで、ここでは、自動詞「とける」を「溶ける」、他動詞「とかす」を「解かす」と表記いたしました。あしからず。