Who doesn’t like ice cream?(アイスクリーム大好き!)
こんなときには、食事も喉を通りにくいので、冷たいもので栄養補給!
というわけで、今日のお題は、
Who doesn’t like ice cream?
疑問文で
誰がアイスクリームを好きじゃないの?
という問いかけです。
でも、実際の意味は、
アイスクリームを好きじゃない人なんて(この世に)いないよね!
と、「みんな大好き」を強調した文章になります。
疑問文ではないので、語尾は下がった言い方になります。
そして、誰かが「アイスクリームって、みんな好きだよね」と言ったときに、
Who doesn’t?
嫌いな人なんていないんじゃない?
と、あいづちに使ったりもします。
あくまでも、自信たっぷりなあいづちなので、こちらも語尾は下がります。
我が家のお隣のレディーは、ディナーのあとにアイスクリームを食べるのが、毎晩の儀式。
それこそ夏も冬も関係なく、でっかいアイスクリームの容器を抱えながら味わうのを楽しみにしています。
まあ、アメリカ人にとってアイスクリームとは、体に欠かせない「食品群」なんでしょう。
(冒頭の写真は、小学館発行『ビッグコミックオリジナル』2008年2月20日号を飾る表紙絵。次の写真は、スペインのバレンシアで出てきた抹茶(!)アイスクリーム)
それで、例題の Who doesn’t like ice cream? ですが、
こういう風に、疑問文の形で、ちょっと回りくどい言い方をするのを「反語」といいますね。
反語は、英語で rhetorical question(レトリカル・クエスチョン)といいますが、何かを強調したいときに、疑問文の形に変えて表現することを指します。
疑問文の形ではありますが、べつに誰かに質問したいわけではなく、「〜なんだよ」と断言する文章になります。
多くの場合、強調に使うのは、上の例文にある「誰が好きじゃないというの?」というような否定の形になります。
Who wouldn’t love a guy like him?
彼みたいな(素敵な)男性を、誰が好きじゃないっていうの?
こちらは「彼みたいな(素敵な)男性は、誰もが好きになる」という意味になりますね。
こんな例文もあるでしょうか。
Who doesn’t love ramen?
誰がラーメンを好きじゃないっていうの?
そう、こちらは「誰だってラーメンは大好きよね」という意味。
近頃は、アメリカでもラーメンは大流行なので、お昼どきになると、ラーメン屋さんの前には長蛇の列。
Who doesn’t love ramen?
ラーメンはみんな大好きだよね!
けれども、もしもラーメンよりもうどんが好きな場合は、
こんな風に反論してもいいかもしれません。
Well, maybe I would prefer udon noodle
そうねぇ、たぶんわたしだったら、うどんを選ぶかしら
ちなみに、こちらで would prefer を使っているのは、「もしもわたしが選ぶ立場にあったら、うどんの方を選ぶかも」と、ちょっと遠慮した表現にしたいから。
(ラーメンの写真は、最初が東京・新橋の「銀笹」の塩ラーメン。次が、シリコンバレー・パロアルトにある「怒髪天(どはつてん)」の豚骨ラーメン)
それで、反語というのは、ちょっと回りくどい言い方なので、普段の会話では使われないのかというと、それが結構耳にするんですよ。
お友達のレディーの中には、こちらの表現を好んで使われる方がいらっしゃいます。
What took me so long?
何がわたしにこんなに時間をかけさせたのかしら?
つまり、わたしったら、今まで何をためらっていたのかしら?(どうしてもっと早く行動しなかったのかしら?)
と、ちょっとした後悔の念を表します。
この方の先日の「後悔」は、インターネットを使ったコミュニケーション。
これまでは、自宅の電話ばかりで、電子メール(e-mail)を使ったことがなかったんです。
それが、彼女のお隣さんと娘さんにアップルストアに付いてきてもらって、iPadを購入。メールのやり方も教えてもらって、ついに、ネットデビューを果たしたのでした。
そのときの感想が、
What took me so long?
どうして今までやっていなかったのかしら?
今までは、携帯電話だって車に置きっぱなしで、緊急用の「自動車電話」状態。だから、こんなに便利なメールを使っていなかったなんて、自分でも信じられないわぁ、というわけです。
そして、こんな反語も耳にしました。
Have you seen me swinging a golf club?
わたしがゴルフクラブを振っているところを見たことがある?
こちらは、ちょっとヒネリのある反語です。
誰かが、他の人について、こう言ったんです。
I don’t think he’ll play well on the golf course
彼がゴルフ場でうまくプレーするなんて考えられないよね
すると、それを聞いた方が、からかわれた人物をかばったのです。
Have you seen me swinging a golf club?
そんな、彼どころの騒ぎじゃないわよ。わたしがゴルフクラブを振っているところを見たことがないんでしょ?
そう、(ゴルフがヘタクソな)自分を引き合いに出すことで、「彼のことを言うものじゃないわ」と、からかった人物にやんわりと反撃しているわけですね。
まさに、うまい!と感心してしまうような反語の使い方なのでした。もしかしたら、自分はゴルフがヘタクソというのも、まったくのご謙遜なのかもしれません。
そういえば、映画を観ていたら、こんな面白いセリフが出てきました。
I wanna be with somebody who doesn’t humiliate me beyond repair
僕は、修復不能になるまで相手を打ちのめしたりしないような人と一緒にいたい
言葉の応酬は、ときにエスカレートしてしまうもの。そういうときには、反語を使ってヒラリとかわすのも「次の一手」かもしれません。
というわけで、反語のいろいろ。
ちょっと難しく聞こえますが、案外、好んで使われる文型なのです。
耳慣れてくると、個人のセンスが光る、なかなか味わい深いものでしょうか。