Happy Holidays(ハッピーホリデーズ)!
ずっと前に「Merry Christmas(メリークリスマス)!」という英語のお話を書いたことがありました。
12月のこの季節、「楽しいクリスマスをお過ごしください!」と、お互いにごあいさつすることですね。
そのときにもご紹介したのですが、アメリカには、いろんな民族や宗教の人が集まっているので、Merry Christmas を使わない場合も多いのです。
とくに、カリフォルニアのように移民の割合の高い州では、「キリストの降誕祭」であるクリスマスを祝う Merry Christmas は、あまり耳にしません。
代わりにどんなあいさつをするかというと、
Happy Holidays!(ハッピーホリデーズ)と言います。
Holidays(「祝日」の複数形)には、キリスト教のクリスマスだけではなく、この時期に祝われるユダヤ教のハヌカ(Hanukkah)や、アフリカンアメリカン(黒人種)によって始められたクワンザ(Kwanzaa)など、いろんな宗派・習慣で定められた祝日を含みます。
ですから、あくまでも移民の集まりであり、いろんな文化が融け合うアメリカには、Happy Holidays という言葉はふさわしいでしょうか。
まあ、今年一月に就任したトランプ大統領などは、「アメリカはクリスチャンがつくったキリスト教国なんだから、Merry Christmas という言葉を復活させるべきである!」と主張します。
けれども、もともとアメリカには独自の世界観を持つ先住民族がいて、そこにキリスト教徒がお邪魔して西洋風のコミュニティーをつくりあげ、その後、ユダヤ教徒やイスラム教徒や仏教徒や、さまざまな信心を持つ人たちが集まってきたのだから、必ずしも「キリスト教国」というのは当たってはいないでしょう。
そんなわけで、カリフォルニアのように、トランプ大統領が嫌いな人の多い州では、昔ながらの Merry Christmas よりも、どんな人にも使える Happy Holidays の方が主流です。
この Happy Holidays!という言葉は、どちらかと言うと、別れぎわとか、電話での会話が終わるときとか、メールの最後に使うあいさつです。
ですから、会っていきなり Happy Holidays!と言うよりも、ある程度お話をしたあとに、別れぎわに使うことが多いでしょうか。
ですから、まずは季節にふさわしい雑談をしないといけないわけですが、この時期に一番ポピュラーな話題はなんだろう? と考えると、たぶん「クリスマスはどこかに行くの?」といった休暇プランのお話でしょう。
How do you spend Christmas?
(クリスマスはどうやって過ごすの?)
Are you gonna (going to) be around in town?
(どこにも行かずに、近場で過ごすの?)
といった話題から始める方が多いようです。
そう聞かれて、何かしら旅行のプランがあるようだったら
I’ll spend Christmas in Hawaii!
(クリスマスは、ハワイで過ごすのよ!)
と、ちょっと自慢げに答えてもいいかもしれません。
もしも何もプランしていないようだったら
Well, I don’t have any specific plan yet, but I may visit my grandparents
(まあ、とくにプランしてないけど、祖父母を訪ねるかもしれないわ)
といった漠然とした答えでも、相手は満足してくれるでしょう。
もしかすると、相手が尋ねてきたということは、何か聞いてほしいことがあるかもしれないので、そういうときには
What about you?
(じゃあ、あなたは?)
Are you gonna (going to) be out of town?
(どこかに行く予定があるの?)
と聞いてあげると、相手は喜んで返事をしてくれることでしょう。
そして、ひと通り話し終わったら
Happy Holidays!
Have a safe flight to Hawaii!
(ハワイまで気をつけて行ってきてね)
などと、別れぎわのごあいさつをします。
ところで、今年のクリスマスシーズンは、なにやら物騒な言葉を耳にするようになりました。
それは、porch pirates(ポーチパイレーツ)という言葉。
直訳すると「玄関先の海賊」というわけです。
つまり、通販で注文した荷物が、不在のため玄関先に置きっぱなしになっているので、それを堂々と盗んでいく泥棒のことです。
そんな泥棒が多いので、テクノロジーを駆使したドアチャイムを使って、怪しい人が玄関先に現れたら「こらっ、なにをしてるんだ!」と遠隔地から脅したりもするんです。
そう、このようなチャイムは、玄関先の動き(motion)を察知して、すぐにスマホに知らせてくれるので、オフィスや訪問先など遠くにいても「わたし、ちょっと手が離せないの」とか「興味ないから、帰ってちょうだい」と、怪しい人を撃退することができるのです。
が、敵もさる者、ひっかくもの。そんな技には、まったく動じない泥棒もいるんです。
ですから、泥棒の顔や乗ってきた車を記録して捕まえてやろうと、セキュリティカメラを設置する家も多いです。警察と協力してGPS機能を内蔵した箱を「エサ(bait)」として玄関先に置き、泥棒のすみかを突き止めようとする動きも見られます。
日本の多くのマンションでは、「宅配ロッカー」が設置されていて安全なので、そんな発想を拝借して、オンラインショップのアマゾンは、セブンイレブンの店内のロッカーで荷物を受け取るオプションも始めています。
が、やっぱり「自宅に配達」を選ぶ人がほとんどで、porch pirates も跡を絶ちません・・・。
この年末の忙しいシーズン、こんなごあいさつはいかがでしょうか。
Happy Holidays(ハッピーホリデーズ)!
クリスマスが終わっても、新年を迎えるごあいさつにも使えるので、とっても便利な言葉なんですよ!