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英語ひとくちメモ/おもしろ表現
English Words 英語ひとくちメモ
2024年08月13日

Dust bunny(ダスト バニー)

<英語ひとくちメモ その176>

今日は、たわいもない名詞のお話です。


Dust bunny


最初の dust は、「ホコリ(埃)、チリ(塵)」。


次の bunny は、「ウサギちゃん」。


ウサギには、いろんな言い方がありますが、bunny というと、まだオトナになっていない、子どものウサギさん。


オトナになると、rabbit(学校の飼育小屋にいるような兎)とか hare(大きめの野うさぎ)などと呼ばれますね。


ですから、dust bunny というと、ホコリでできたウサギちゃん。


なんだか、とっても可愛い表現ですが、なんのことはない、お掃除を怠けていて、部屋の隅っこにたまったホコリが固まって、まるでウサギさんみたいになった状態をいいます。


そう、ちょうどこちらの写真みたいに。


いえ、我が家のお掃除を怠けていたわけではありません!


洗濯機を置く台の奥の奥の方に、ホコリがたまっていることに気がついて、マジックハンドにウェットシートをはさんで引っ張り出してみたら、こんな「ウサギさん」が出てきた、というわけです。


いやはや、dust bunny という言葉はよく耳にするものの、あんまり実物を見かけることはないので、つい記念写真を撮ってしまいました。


我が家は、洗濯機の乾燥機能で服を乾かすので、知らない間に周囲にもホコリが飛び散って、積もっているんですね。


これからは、dust bunny を育てないように、洗濯機の奥の奥までチェックすることにいたしましょう!



それで、まったく褒められないモノに、どうしてこんなに可愛らしい名前がついているのか? と疑問に思うのです。


これは想像の域を出ませんが、誰かが「ホコリがたまっているよ」と指摘されたことがあって、これがふわふわしたウサギに見えなくもないので、「まあ、ダスト バニーちゃん、かわいい〜」と照れ隠しに言ったことがはじまりなのではないでしょうか。


あんまりキレイじゃないものでも、可愛らしい名前で呼ぶと許されてしまう、といった感じでしょうか。


そして、これも想像の域を出ませんが、最初に「ホコリがたまっている」と指摘したのは、義理のお母さまとか・・・。


「まあ、ナンシー、お部屋の掃除がちゃんとできてないから、隅っこにホコリがたまっているじゃないの」


と、指摘されたナンシーは、「あら、隅っこに可愛らしいダスト バニーちゃんがいるわ!」と反撃したとか。


いえ、実は、これに似たような実話を聞いたことがあるのです。


日本では、こんな昔風のドラマのシーンがあるでしょう。


障子の桟(さん)にちゃんとハタキをかけていないので、ホコリがたまってしまって、義理のお母さんが人差し指で桟をなぞって、「民子さん、お掃除が行き届いていないわね」と皮肉を言うシーンが。


これに似たお話で、義理のお母さんが何も言わずに、暖炉(fireplace)の上をす〜っと指でなぞった、という実話です。


ほら、暖炉の上には、よく家族の写真とか二人の記念写真とかを飾っているでしょう。ですから、ホコリがたまりやすい場所ではあるんです。


この義理のお母さんは、マサチューセッツ州の余裕のある中流家庭の方。彼女の息子と結婚した方は、見かけは華やかで、あんまりお掃除を熱心にしなさそうに見える女性。本当は、かなり細やかな心づかいのできる方なんですけれどね。


カリフォルニア州の新婚家庭にお義母さんを招待したら、こんな怖いワンシーンがあったのよと、お嫁さんから聞かされたのでした。


う〜ん、「お掃除の尺度は、人差し指(index finger)」というのは、きっと万国共通なんでしょうねぇ。



ちなみに、dust を使った慣用句には、こんなものがあります。


動詞で、collect dust


文字どおり、ホコリを集めるというわけで、「ホコリが積もるほど、長い間まったく使っていない」という意味です。


My mother’s brand-new cellphone was collecting dust next to the old-fashioned landline telephone

わたしの母の真新しい携帯電話は、昔ながらの固定電話の横でホコリをかぶっていた


そうなんです、母が存命のころには、いくら使い方を教えても携帯電話を使おうとせず、固定電話の横で鎮座しておりました・・・



というわけで、dust bunny


たいした話題ではありませんが、日常を映し出す言葉なのでした。


そして、こちらは、まるで dust bunny に見える生き物です。


何年か前、カリフォルニア州サンノゼ市の我が家の裏庭で、ちょろちょろと動いていた小動物。


これは、いったいなんだろう? と写真を撮って、あとで連れ合いに見せたら、「これは、ウサギの子供だよ」とのこと。まさに、本物の bunny ちゃんでした。


ちょうど、春の子育てシーズン。復活祭(Easter、イースター)のシンボルでもあるウサギさんは、この時期、注目を集める人気者。


Dust bunny ならぬ、本物の bunny ちゃんは、人々の視線に疲れて、我が家に逃げ込んだのかもしれませんね。


隅っこでうずくまる姿が、なんとも愛らしいのです。



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