I’m upset (プンプン!)
あんまりひんぱんに使いたくない言葉ではありますが、たまにはこれを使いたくなるものです。I’m upset.
つまり、わたしは腹立たしい、イライラしているという意味ですね。
まあ、世の中、すべてが思い通りに進むわけではないので、ときどきはこう言いたくもなるのです。
この文章は、相手に向かって意思表示をするときに使う場合もあります。
たとえば、相手が何かしらトゲトゲしいものを感じ取って、What’s wrong with you?(どうかしちゃったの?)と聞いてきたとします。すると、わが意を得たりと、I’m upset(わたし、ちょっと頭にきてるの)などと答えます。そして、どうして気分を害しているのかを相手に説明してあげます。
一方、腹立たしい相手にではなく、第三者に愚痴をこぼす場合は、I was really upset yesterday(わたし、昨日すごくイラついたことがあったの)などと言います。そして、いろいろと第三者に愚痴を聞いてもらうのです。
この upset には、プンプン、イライラという意味もありますが、気が動転したという意味もあります。もともと、upset には、船が転覆するとか、何かが転倒するという意味があるのですね。
I have an upset stomach というと、胃がムカムカして調子が悪いという意味です。胃の中が、ぐるぐると廻っているような感じですね。
気が動転した、動揺したという意味でいうと、I’m disturbed などもあります。動詞 disturb は、かき乱す、不安にするという意味です。I’m disturbed というと、心を引っかきまわされたといった感じでしょうか。
I was disturbed by the news(そのニュースを聞いて、心穏やかならぬものを感じた)などと使います。
一方、イライラの I’m upset のもっと強い語気のものに、I’m outraged というのがあります。これになると、ホントに怒ったぞという感じになります。
I was outraged that he didn’t even call(彼は電話すらかけてよこさなくて、ホントに頭にきちゃったわ)などと使います。
さて、感情的な表現には、イライラの他に、びっくりというのもありますが、これには、いくつかの表現があります。
まず、ストレートに「びっくりした」と言いたい場合は、I was surprised と言います。
I was surprised by his reaction(彼の反応にびっくりしちゃった)などと使います。
I was appalled というのもあります。これは、ひどく仰天したときに使います。この appalled の発音は、「アポールド」という感じになります。
いつかクラスメートがこんなお話をしていました。彼女はフィリピン系アメリカ人なのですが、結婚したときに、花嫁の母親が結婚式の代金を負担すると聞いて、My mother was appalled(母はもう仰天してしまった)そうです。
今は、アメリカではいろんな結婚の形式があり、必ずしも昔のように花嫁の母親(もしくは花嫁の家)が結婚式を負担するわけではありませんが、彼女の場合は、ごく伝統的な形式に沿ったようで、フィリピンから来た両親はびっくりだったわけです。祖国では、結婚式は男性側が持つもののようですので。
「びっくり」には、I was flabbergasted というのもあります。びっくり仰天するとか、面食らうという意味です。カタカナで書くと、flabbergasted は「フラバガスティッド」と発音します。ラにアクセントが付きます。こういう場合は、大げさにイントネーションを付けた方がいいですね。
この表現は、あまりひんぱんではありませんが、ときどきは耳にするものです。これが口癖の友達もいましたね。どちらかというと、女性がよく使う言葉でしょうか。
さて、I’m upset が、プンプン、イライラという感じなら、もうホントにいやになっちゃったよという俗語に、I’m pissed というのがあります。
これは、べつに放送禁止用語ではありませんが、上品な表現ではないので、使わない方が無難でしょう。ただ、よく耳にする表現ではありますので、意味くらいは知っておいた方がいいかもしれません。
この文章の piss という部分は、もともと「おしっこ」という意味ですが、どうしてそれがこういう表現に進化したのかは存じません。
実は、先日、知り合いと大喧嘩したことがあって、そのときに意外なことに、この表現が役に立ったのです。
こちらからすると、約束を破られ怒っていたのですが、あちらからすると、どうしてもはずせない緊急事態が立て続けに起こって、思いがけなくも約束を守れなかったということになるらしいのです。
こういう場合、いつまでも平行線になる恐れがあるので、こう言ってあげました。You must be pissed today(あなた、今日はホントにどうしようもない気分だったでしょ)と。
すると、あちらは笑い出し、Yes, I am(うん、その通り)と答えます。まさか上品なレディー(?)から pissed なんて言葉を聞こうとは夢にも思わなかったので、そのちくはぐに思わず笑ってしまったようです。
もうその頃になると、互いのウニウニ、トゲトゲした気分はだいぶ和らいでいたのでした。
普段、レディーが使うべきではない言葉はいくつかありますが、使い方によっては、おもしろい結果を招く場合もあるのですね。