New Year’s resolution 2025(今年の一年の計)
<英語ひとくちメモ その181>
Happy New Year!
新しい年の始まりですね。(とはいえ、早くも1月下旬・・・)
年初から災害に遭われたり、お受験の追い込みで余裕がなかったりと、新年のお祝いどころではなかった方々もいらっしゃるでしょう。
けれども、多くの方にとっては、年末年始は一年でもっともゆっくり過ごせる大事な時期でしょうか。
ちょうど18年前にもお話ししたのですが、この年初の時期、「今年はこんなことに頑張るぞ!」と決意する人も多いです。
洋の東西を問わず、英語にも New Year’s resolution(一年の計)という言葉があります。
そう、新しい年がやってくると、今までできなかったことでも、「今年こそは!」と誰もが決意するものなんですね。
一年の計というと、アメリカでもっともポピュラーなのは、こんなものでしょうか。
Lose weight(体重を減らす)
Exercise more(もっと運動をする)
Eat healthier(もっと健康的な食事を摂る)
Quit smoking(タバコを止める)
つまり、今までよりも健康的な生活を送ろうじゃないか、という願いです。
これを文章にすると、このようになります。
This year I resolved to lose weight
今年は、痩せようと決意したのよ
そう、I resolved to 〜 という形で、自分の年頭の決意を表します。
アメリカの公共ラジオ放送局NPRでは、こんな提案をしていました。
題して、『New Year’s resolution ideas: 25 fun and practical goals to reach for in 2025(2025年に楽しくて実現可能なゴールとして目指すべき、25の一年の計の提案)』。
「楽しいもの」の中には、こんなものがありました。
Get my first tattoo(初めてのタトゥー(入れ墨)にトライする)
これは、どちらかというと若い方に当てはまるでしょうか。ワンポイントでおしゃれに施すタトゥーは、かなり人気です。
Host more dinner parties(もっと(友達・家族を呼んで)ディナーパーティーを開く)
今まで何年も、コロナ禍で自宅に人をお呼びすることができなかったので、そろそろホームパーティーを開いて楽しみたい。そんな方は、たくさんいらっしゃることでしょう。
ちなみに、「パーティーを開く」は、host a party を使う方が多いでしょうか。
そのほか、throw a party とか have a party、もしくは hold a party と表現する方もいらっしゃいます。
そして、「自分自身に何かチャレンジを負わせる」とか「自身を変える」という分野の提案の中には、こんなものもありました。
Find an exercise routine I’ll actually stick with(実際に続けられるようなエクササイズ・ルーティーンを見つける)
年初にもっと運動をするぞという目標を立てても、だいたい三日坊主に終わってしまうもの。
それはきっと、「皇居のまわりを走るぞ!」というようなハードルの高い目標は、自分に合っていないということなのでしょう。
ですから、目標設定は低めにして、実際に継続できることを見つける。それが大事なことなのかもしれません。
Become a “morning person”(朝型になる)
そう、「朝型の人」というのは、ずばり a morning person (朝の人)といえば通じます。
が、とても「朝型」とは呼べない生活パターンの方は、世の中には多いはず。わたし自身も、アメリカではいつもこう宣言していました。
I’m not a morning person(わたしは、朝が苦手で・・・)
今年こそは(就職もするし)早寝早起きを頑張るぞ! という方も多いのかもしれません。
一方、シリアスなものでは、こんな提案もありました。
Finally learn how to create a budget(そろそろ予算を立てることを学ぶ)
とくに仕事を始めて、お給料をもらうようになったり、ひとり暮らしを始めて、生活費を考えるようになったりと、まったく新しい生活をスタートさせた方々。
「ひと月に支払う家賃は、光熱費は、電話代は、食費は・・・」と計算してみると、自由に使えるお金はあんまりない! と愕然とするかもしれません。
う〜ん、だとすると、ボーナスでなんとかするかぁとか、何ヶ月分のお小遣いを貯めて好きな服を買おうかな?とか、いろいろと工夫をしないといけません。
そんな風に、自分自身に合った create a budget(予算を立てる)ことに挑戦しよう、というわけです。
そして、自身に対する見方を変えるという中には、こんな興味深い提案もありました。
Stop feeling guilty about things I’ve said or done(自分が言ったり、やったりしたことを後悔するのは止める)
この feel guilty という表現は、「後ろめたく感じる」という意味。
普通 guilty というと、「有罪の」という形容詞を思い浮かべますが、自分の心の中で「気がとがめる」という意味もあります。
たとえば、I felt guilty eating too much chocolate(チョコレートをたくさん食べ過ぎて後悔したわ)というような文章に使います。
ですから、Stop feeling guilty about things I’ve said or done というのは、「今までは自分が言ったり、やったりしたことに対して、いちいち気がとがめていたけれど、これからは自分自身の判断に自信を持って、後悔するのを止めるわ」という意味になりますね。
これに類似する提案の中に、こんなものもありました。
Stop being a people pleaser
こちらの a people pleaser という名詞は、英語独特の表現でしょうか。「自分自身をさて置いて、他の人の欲求や必要性を優先させる人」といった意味。
この場合の please というのは、「誰かを喜ばせる」という動詞の please 。たとえば、He is easy to please といえば、「彼を満足させるのは簡単だ」ということ。
ですから、ここから転じた名詞形 pleaser は、「誰かを喜ばせる人」という意味になります。
つまり、a people pleaser という表現は、「他人を喜ばせようとする人」という意味。
いつも他人から「いい人ね、親切な人ね」と言われたい、見られたいと思っている。そのためには、自己を犠牲にしても人のために尽くしたい、といった感じでしょうか。
このような側面は誰もが持っているわけですが、これが嵩(こう)じると、人間関係の上でも自身に不利に働き、先々困ることにもなります。
ですから、「今年こそは、人ばかり見ていないで、自分の意見や感情を大切にしていこう」という新年の提案なのでした。
というわけで、New Year’s resolution(一年の計)。
あるアメリカの調査では、せっかく一年の計を立てても、年初の2週間で、88パーセントの人がドロップアウトしてしまうとか!
そういう点では、実現可能な、低い目標を設定するのが成功の秘訣でしょうか。
あれこれとポピュラーな新年の決意を見ていくと、その国の文化や世相が垣間見られるような気もします。
が、こちらは古今東西、変わらぬ永遠のテーマなのかもしれません。
Stop spending money when I’m stressed(ストレスを感じるとお金を遣ってしまうのは止めましょう)