OK(オーケー)
Okay とも書きます。
英語の発音は、どちらかというと「オゥケイ」といった感じですが、日本語でも使われる「オーケー」のことですね。
ときどき、okeydoke(オゥキードゥク)とか、okey-dokey(オゥキードゥキー)と言う人もいますが、大部分の人は OK を愛用します。
日本語の「オーケー」と同じように、英語の OK も「大丈夫だよ」「わかったよ」といった肯定的な意味に使われます。
I want you to be there at 7 a.m. tomorrow morning
明日の朝7時に、そこにいてちょうだいね
OK, I’ll be there
オーケー、ちゃんと行くよ
このような単純なシチュエーションでは、「わかったよ」と肯定的な意味なのは明らかですよね。
が、油断してはいけません。言葉が簡単で、便利で、気軽に相づちにも使われるがゆえに、ときに「あいまいな意味」に取られることもあるのです。
こちらは「一泊無料宿泊券」を持っていたので、毎年やっていたように、差額は払うから、部屋をアップグレードして欲しいとリクエストしたのでした。
すると、最近あちらのルールが変わったようで、「宿泊当日に部屋が空いていたら、アップグレードしてあげる」と言われたのでした。
そこで、連れ合いは「OK」とあいまいな返事をしていたのですが、後日、現地に行ってみたら、アップグレードの広い部屋は準備されていなかったんです。
いえ、広い部屋が空いていなかったわけではなくて、電話を受けた人が、連れ合いの「OK」を誤解して「(ルールがあることは納得したから)アップグレードしなくていいよ」と受け取ったようでした。
連れ合いは「わかったよ。だったら当日空きがあったらアレンジしておいてね」と言ったつもりだったのに、相手は「わかったよ。だったらあきらめるよ」と理解したようなのでした。
どうやら、「顧客はOKと言った」という電話のやり取りが記録されていたようで、この「誤解」が明らかになったのですが、だったら、向こうだって再確認してくれればよかったのになぁと思ったのでした。
たとえば、こんな風に。
Do you still want to upgrade your room? Or are you fine with the regular room?
(条件付きであっても)それでもアップグレードなさりたいですか? それとも、通常の部屋で大丈夫ですか?
ま、ここまでアップグレードにこだわるのには、ワケがあるんです。ここのスイートルーム(suite)は一軒家みたいに広々としているし、バスルームの外には専用ジャクージ(Jacuzzi)が付いていて、夜空の星を見ながら、そして早起きの鳥のさえずりを聞きながらブクブクとお風呂に入れるから。
ちなみに、この日は1時間待ったら広い部屋を準備してくれると言うので、晩ご飯を食べながら、暢気に待たせてもらいました。
それにしても、まさか OK という単純な言葉で「誤解」が生まれるとは、夢にも思わない出来事だったのでした。
そんなわけで、ときに誤解されることはあったにしても、OK という言葉は、今ではアメリカから全世界に広まり便利な言葉になっていますよね。
OK と言えば、何語であっても、だいたい意思は通じることでしょう。
そして、この OK は、今の略語やアクロニム(acronym:単語の頭文字をつなげた言葉)の走りではないかと思うのですが、まあ、近年は、メールやソーシャルネットワークでさまざまな略語が使われていますよね。
中でも一番有名なのは、OMG でしょうか。
Oh, my god! の略で、「まあ、びっくり!」
「まあ、どうしましょう!」と困惑の場面にも使います。
それから、同じように有名なのが、LOL でしょうか。
Laughing out loud の略で、「大笑い」
日本語で、文章の最後に(笑)と付けるのと同じですね。
文章では表しにくいリアクションを文字で表現しています。
YOLO というのも、頻繁に使われるみたいですね。
こちらは、You only live once の頭文字を取ったもの。
「あなたは一度しか生きない(人生は一度しかない)」という意味ですが、好意的な取り方をすると、チャレンジ精神がみなぎる表現。
You only live once. Why don’t you go for it?
人生は一度なのよ。思い切ってトライしてみたら?
そして、あまり好意的でない取り方をすると、何か無茶をしたあとに、「どうせ人生は一度っきりしかないのよ!」という言い訳にも聞こえるでしょうか。
Sorry, I made a mistake. But you only live once, you know!
ごめんなさい、悪いことして。でも、人生って一度きりでしょ!
いずれにしても、こういう略語は便利ですよね。だって、短い文字の羅列で感情をうまく表現できるのですから。
でも、近頃は、ちゃんとした文章を書くべきときにも略語が顔を出し、「この人って、ほんとにしっかりした人なのかしら?」と疑問を抱くこともあるみたいですよ。
たとえば、履歴書(résumé「レザメー」と発音)に添えるお手紙にも、略語が使われていて、「まったく良識を疑うってしまうわ」とおっしゃった人材採用担当者がいらっしゃいました。
この方は出版社に勤める方で、当然のことながら、応募した方たちも出版社に勤めたいと思ったのでしょうけれど・・・。
今の世の中、採用担当者は、応募者のソーシャルネットワークは必ずチェックすることになっていますが、履歴書を提出するときくらいは、ちゃんとした文章を書くべきですよね!
というわけで、OK も OMG みたいな略語も、気軽に使えるがゆえに、使い方にはちょっと気をつけた方がいいのかもしれません。
付記: 最後の写真は、わたしがシリコンバレーで転職したときに参考にした「履歴書の書き方」の本です。アメリカには「履歴書」という書式が定まっていないので、書き方は自由なんですが、いちおう、こういった参考書に従った方がいいのではないでしょうか。
ちなみに、アメリカの履歴書の書き方について、ちょっとだけ書いてみたことがあります。こちらの第2話『「履歴書」から学ぶこと』というお話です。