Paper or plastic? (どっちがいい?)
この “Paper or plastic?” というのは、日常生活の中では、もっともよく聞く言葉のひとつなんです。
この中の paper とは、紙のことですが、plastic というのは、日本語のプラスチックではありません。ビニールのことです。
そして、ここでは、paper は紙袋を指し、plastic はビニール袋のことを指しています。
もうおわかりのように、この “Paper or plastic?” は、grocery stores、つまりスーパーマーケットのレジで必ず尋ねられる質問事項です。
「紙袋とビニール袋の2種類があるけれど、どちらがいいですか?」という意味ですね。
これに対して、もし紙袋がよければ、“Paper, please” と言い、ビニール袋がよければ、“Plastic, please” と言います。
アメリカの場合は、レジを打つ人と、袋に詰める人が分かれている場合が多く、袋に詰める係の人がこの質問をします。高校生のアルバイトのようなティーンエイジャーのケースが多いですね。
そして、買ったものを全部袋に詰め終わると、レジの人が “Do you need a help out?” などと、尋ねてくる時があります。
たくさん買って、ショッピングカートがいっぱいだと、「助けが必要ですか?」、つまり、袋詰め係が車まで付き添って、トランクに荷物を入れてあげましょうかと、親切に聞いてくるのです。
質問の最後の out というのは、外に出て行って助けが必要ですか、といった感じでしょうか。
この場合、もしひとりで大丈夫だと思ったら、“No, thanks, I’m fine” とか“No, that’s OK” と言いいます。
お願いしたいなと思ったら、“Yes, please” と言います。荷物をトランクに入れてもらったら、“Thank you” とねぎらってあげてくださいね。別にチップなどは必要ないですから。
ちなみに、ここでは plastic はビニールという意味でしたが、日本語と同じくプラスチックのことを指す場合もあります。
たとえば、the plastic で、クレジットカードのことを意味するときがあります。クレジットカードはプラスチックでできたカードなので、単に略してプラスチックと言うのでしょうね。
そして、美容整形の形成外科手術を、plastic surgery と言います。「プラスチックの手術」というのもおもしろい表現ですが、プラスチックというか、何かしら人工の材料を体に入れるから、こういう呼び名が生まれたのでしょうか。
それとも、プラスチックのもうひとつの意味である「変形しやすい」という意味からきているのでしょうか。
(ちなみに、美容整形手術は、face lift とも呼ばれます。「顔を持ち上げる」転じて、しわ取り手術となったのでしょうか?)
ところで、アメリカでは、ありとあらゆる所に、選択の自由があります。スーパーの袋ばかりではないのですね。
でも、困ったことに、英語が得意でない場合、その選択の自由がかえって足かせになることがあるのです。
たとえば、身近な例でいうと、サンドイッチを買う場合、材料すべてに選択肢が付いてきます。ハムや野菜の中身を選ぶばかりでなく、パンは何にするかとか、チーズは何がいいかとか、マヨネーズは大丈夫かなどと、材料のすべてに選ぶ権利が与えられます。
まずは、ハムは普通のハム(ham)か、七面鳥のハム(turkey ham)か、ローストビーフ(roast beef)か。
パンは精白(white)か、ライ麦(rye)か、全粒(wholegrain または whole wheat)か、形は薄切り(sliced)か、ロール型(rolls)か。
チーズは、スイス(Swiss)か、チェダー(Cheddar)か、アメリカン(American)か。
野菜は、すべて(everything on it)か、それとも玉ねぎ(onion)やピクルス(pickles)は抜いて欲しいか(玉ねぎがいやな場合は、everything except onions とか I don’t want onions などと言えば通じます)。
そして、極め付けは、マヨネーズ(mayonnaise、略してmayo)や、マスタード(mustard)は大丈夫?
だから、密かに、サンドイッチを買うのは苦手だと思っている人も多いかもしれません。
あまりの面倒くささに、「お願いだから、おまかせサンドを作ってよ~」と言いたくなるときもあるのですが、アメリカ人にしたって、忙しい昼休み、すんなりとサンドイッチを買いたいものなのです。
ですから、最近は、できあいのサンドイッチを売っているお店もずいぶん増えてきました。こういった所なら、英語が苦手でも大丈夫ですよね。
サンドイッチといえば、お向かいさんが日本を旅してみて、列車の中で買った箱入りのサンドイッチがいたく気に入ったそうです。
なんだかチマチマといろんな材料が入っていて、しかも形も小さいので、「あのイギリス風の tea sandwich、かわいくてヘルシーで、おやつにちょうど良いわぁ」との仰せでした。
普通、日本人は、あれを食事にするんですけどね・・・。