SFジャイアンツの優勝パレード!
まったく、今年サンフランシスコ・ジャイアンツがワールドシリーズで優勝するなんて、夢にも思っていませんでした。
2010年、2012年と優勝したので、もしかすると2014年も? とシーズンが始まったときには期待していました。
が、結局、9月末にレギュラーシーズンが終わってみると、ナショナルリーグ西地区を征したのは、宿敵ロスアンジェルス・ドジャーズ。
あ~、これで終わりかぁと思っていたら、西地区2位のジャイアンツは、「ワイルドカード」でプレーオフ出場に滑り込みセーフ!
そこから、同じく「ワイルドカード」のピッツバーグ・パイレーツを一試合で破り、ナショナル地区シリーズ(National Division Series)ではワシントン・ナショナルズを3勝1敗で破り、リーグ優勝シリーズ(NLCS)ではセントルイス・カーディナルズを4勝1敗で破って、ワールドシリーズに出場決定!
この快進撃に、もう、優勝は決まりね! と、地元の期待がふくらみます。
前回みたいに、4戦4連勝で勝てるかも!
が、ここからが正念場。ジャイアンツお得意の「Torture(苦しみ)」の到来で、ハラハラ、ドキドキ、観戦するだけで苦しい試合の連続となるのです。
ご存じのように、ワールドシリーズのお相手は、ミズーリ州のカンザスシティー・ロイヤルズ。29年ぶりにプレーオフに出場したことと、日本人の青木宣親選手が在籍することで、日本の野球ファンの多くが応援したチームだとか。
それがちょっと不満ではありましたが、こちらは、懸命に地元チームを応援するしかありません!
ジャイアンツは敵地カンザスシティーで1勝1敗と分けたあと、本拠地AT&Tパークで3連戦。我が家も、地元でワールドシリーズを観てみたいと思ったものの、外野席のチケットが6万円で転売されていたので、あきらめてテレビで応援しました。
ただ、10月24日のAT&Tパークの初戦、国歌斉唱が終わるタイミングで、戦闘機が2機、轟音をたてて頭上を飛んで行ったので、それが球場の近くにいる「臨場感」となりました。
このワールドシリーズが素晴らしかったのは、どちらも若いチームなので、力が互角だったことでしょうか。
そう、「スーパースター」がいないので、一試合ごとに「ヒーロー」や「ムードメーカー」が生まれ、どちらが優勝しても、みんなが納得できる実力を備えていたようです。
結果的には、最終第7戦で、MVP投手マディソン・バムガーナーが1点差を死守して、ジャイアンツがシリーズを征しましたが、6戦目、7戦目を敵地でプレーしたジャイアンツに「勝負の女神」がほほえんでくれたのかもしれません。
優勝が決まったのは、わたしの誕生日だったので、何よりもステキな誕生日のプレゼントとなったのでした。「願いがかなって、良かったわねぇ」と、ボストン・レッドソックスのファンからお祝いのメッセージもいただきました。
そして、10月31日のハロウィーン。サンフランシスコの目抜き通りマーケットストリートでは、優勝パレードが開かれました。
小雨の降り続く、あいにくのお天気で、2年前のパレードのときよりは人出が少なかったようです。
おかげで、今年は選手たちがよく見えました!
そして、前回のパレード(こちらでご紹介)ではオープンカーに乗った選手たちが見えなかったのですが、今回は背の高いダブルデッカーが登場し、それも改善策となったようです。
残念ながら、最後までいられなかったので、パレードの「取り」となったMVPバムガーナー投手は見逃してしまいましたが、それでも、「女房役」の捕手バスター・ポウジー選手を近くで見られたので、大満足でした。
彼は、さすがに気配りが行き届いていて、ビルの窓から見下ろすファンたちにも、にこやかに手を振ってあげていました。優勝が決まった瞬間には、「肩の荷がおりたぁ」といった感じで、その場にへたりこんでしまったのですが、この日ばかりは、満面の笑み。
ふたりともワールドシリーズの優勝リングを3つも持っているんですが、バムガーナー選手は25歳、ポウジー選手は27歳と、まだまだ若いんです。
日本では、あんまり有名なジャイアンツ選手はいないとは思いますが、たとえば、こんな方たちがいらっしゃいます。
ムードメーカーの外野手ハンター・ペンス選手: 今年の合言葉「Yes! Yes! Yes!」は、プロレスラー ダニエル・ブライアンさんの「おたけび」を真似たものだとか。
「パンダ」の愛称で親しまれるパブロ・サンドヴァル選手: 映画『カンフー・パンダ』から生まれた愛称ですが、パンダみたいに「ふっくら」しているわりに、機敏な守りと鋭い送球で知られる3塁手。主砲4番バッターでもあるのです(ゆえに、他チームからも狙われています)。
二軍から昇格したルーキー、2塁手ジョー・パニック選手: 3年前にジャイアンツにドラフト指名されたものの、ようやく今年6月にメジャーデビュー。ワールドシリーズ最終戦では、彼のガッツの守りで流れが変わりました。
二軍が長いトラヴィス・イシカワ選手: 4月にパイレーツから古巣ジャイアンツに移籍したばかり。リーグ優勝では「さよなら3ラン」を打って、一躍ヒーローに!
そんなカラフルな選手たちのいるジャイアンツですが、地元では、過去5年で3回優勝したチームに、早くも「Dynasty(王朝)」という褒め言葉が贈られています。
けれども、実力もさることながら、優勝の裏側には何かしら「プラスアルファー」が働いたのかもしれません。
それは、若い選手たちの勢いだったり、互いを助け合う仲間意識だったり、あきらめの悪さだったり、ボウチー監督のもと和気あいあいとしたファミリーだったりと、そんなことだったのかもしれません。
「途中から来た僕を、みんなファミリーのように迎えてくれて嬉しかった」と、どなたか優勝インタビューで答えていらっしゃいました。
そのファミリーの「お父さん」ボウチー監督は、采配を評価されて『今年の監督賞(National League Manager of the Year)』の最終候補となっています(発表は来週)。
2012年の優勝では、単に「勝った、勝った!」と喜んだわたしでしたが、今年のプレーオフでは、「野球って、ほんとに面白いなぁ」と、自分なりに進化を遂げたような気がするのです。
まったく野球って、奥が深いですよねぇ。