Still working on it? (まだやってるの?)
“Still working on it?” というのは、“Are you still working on it?” の省略形となります。
日本語では、「まだやってるの?」という感じでしょうか。たとえば、まだ宿題をやってるの?とか、まだ仕事片づいてないの?とか。
この場合、working というのは、別に仕事をしているとかごく限られた意味ではなく、なにかを「やっている」という感じです。
対象となっている it も、「それ」と特定されたものではなく、漠然としたものなのです。
ですから、いろんな場面で使いまわしができると思います。
実は、このフレーズには、ひとつおもしろい使い方があるのです。レストランでよく使われるのです。
頼んだ料理の量が多くて、ゆっくり休みながら楽しみたい、そんなことがありますよね。一皿の量が多いアメリカでは、よくある話です。
でも、フォークやナイフを皿の上に置いていると、ウェイターはもう食べ終わったのかなと思ったりします(フォークやナイフの置き方のルールには、あまりこだわらないのです)。
そういうときに、あちらは、“Still working on it?” ときいてくるのです。「まだ食べているところですか?」といった意味ですね。
もし、もういいやと思ったら、“No, I’m finished” といいます。
まだ食べたいなと思ったら、“Yes, I’m still working on it” といいます。そうすれば、途中で皿を持っていかれることはありません。「あ~、あのポテトまだ食べたかったのにぃ」ということもありません。
ちょっと気取ったところなら、“Are you finished, Sir?” とか、“Are you finished, Ma’am?” ときかれるかもしれません。「もうお済みですか?」という意味ですね。
この場合、答えは “Yes” か “No” だけでもいいし、“Yes, I’m finished” とか、“No, I’m still working on it” と意思表示してもいいのです。
(上の場合と比べて、Yes と No が逆になっていますが、あくまでも、Yes や No は、相手の質問に対応するものなのですよ。)
それから、最後に付いている Sir(男性)や Ma’am(女性)は、相手に対する丁寧な呼びかけですね。こう呼ばれれば、悪い気はしないものなのです。
ちなみに、この呼びかけにはいろいろあって、若く見られる女性は、Ma’amではなく、Miss と呼ばれるかもしれません。
自分は結婚してるからミスじゃなくてミセスなのに~、と思う必要はありません。若く見える女性への丁寧な呼びかけなのです。若そうな人を Ma’am と呼ぶとちょっと失礼かな?という心遣いです。
でも、徹底して女性は Ma’am という、丁寧な所もあります(Ma’amは、「奥様」という感じでしょうか)。
一方、お店のウェイトレスや売り子さんを呼ぶとき、“Miss” と呼びかけることがあります。この場合、客と店員という上下関係的な立場ができていますので、Ma’am は使いません。この場合の Miss には、年齢は関係ありませんので、顔がしわしわのウェイトレスにも “Miss” と呼びかけたりします。
でも、一般的に、女性は女性に対して “Miss” とは呼びかけないので、単に、“Excuse me” と呼びかけたり、テーブルで片手を挙げて合図したりしてもいいと思います。
ところで、レストランでは、いろんなことを尋ねられますよね。
たとえば、サラダが出てきたときに、“Do you want the freshly-ground pepper on it?” とか、スパゲッティのときに、“Would you like the freshly-grated cheese on it?” とか尋ねられたりします。
これは、サラダの上にコショウをかけてほしいかとか、スパゲッティの上にチーズを摩り下ろしてほしいかという質問です。その場に、ペッパーミルやチーズおろし器を持って来るのです。
これに対する答えは、勿論、“Yes” か “No” だけで結構です。
でも、いったん “Yes” と言ってしまったら、どうやってストップをかけるのでしょうか。
そういう場合は、もういいなと思ったところで、“That’s fine, thank you” とか “Thank you, that’s enough” と言います。そうすれば、あちらはストップしてくれます。
“Thank you” と軽く手を挙げても、立派に意思は通じます。人によっては、ワインをグラスに注がれたくないときに、グラスのふちに手を添えたりします。手のひらは、ストップサインのようなものでもあるのですね。
一方、友達同士なんかでコーヒーにミルクを入れてあげたりする場合、「いいって言ってね」と軽く尋ねたいことがありますね。そういうときは、“Say when” と言ってください。「いいときにいいって言ってちょうだい」、そんな感じですね。
あちらは、コーヒーがいい具合になった頃に、“That’s good, thanks” とか答えてくるでしょう。
後日談:とっても丁寧なレストランでは、「もうお済みですか?」なんて、直接尋ねないようですよ。
その代わりに、“May I?” と聞いてきます。「よろしいですか?」という感じでしょうか。
この前、ラスヴェガスを旅行したとき、ベラジオというホテルにある高級フレンチ・レストランで、そういう体験をいたしました。
一皿が終わった頃合を見計らって、お客の顔を見ながら、May I? とひと言。こちらも相手の顔を見て、Yes と言えば、ちゃんと通じますよ。