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登場間近!:アップルさまの次世代iPhone
Vol.107
登場間近!:アップルさまの次世代iPhone
北カリフォルニアは、山火事だらけの今日この頃です。北カリフォルニア全体で、千の山火事が燃え盛っているとも聞いています。その多くは稲妻による自然発火だそうですが、たった一日の稲妻の嵐で、一気に八百もの山火事が起こったということで、今さらながら、自然の脅威とそれに相対する人間の小ささを感じるのです。
山火事が起きると、いつも悩まされるのが、空気の状態。喉の弱いわたしなどは、近頃ずっと屋外に出られない生活を強いられています。シリコンバレーの辺りはちょっと先も見えないような、こんな状態(写真)が続いているのですが、これが春霞だと、どんなに風流なものかと痛感しております。
さて、そんな6月は、ちょっとハイテク系のお話にいたしましょう。シリコンバレーの有名人、アップルとヤフーのお話のあと、大統領選に絡むお話なども続きます。
<普通の電話になっちゃった!>
忘れもしない昨年6月29日の金曜日、鳴り物入りで登場したアップルさまの「iPhone(アイフォーン)」。アップルさまが手がけた初めての携帯電話も、間もなく、満一歳を迎えます(ご記憶にあるかとも思いますが、このiPhone売り出し初日の大騒ぎについては、昨年7月号のおまけ話でご報告しております)。
そして、すでにご存じの通り、待ちに待った今月初め、サンフランシスコで開かれたアップルさまのワールドワイド・デベロッパーズ・コンファランスで、CEO(最高経営責任者)スティーヴ・ジョブス氏が、次世代「iPhone 3G」を発表いたしました。更にパワーアップし、8GBモデルと16GBモデルの2機種となり(現行は4GBモデルと8GBモデル)、3G(第3世代)携帯ネットワークにも対応しています。
ジョブス氏曰く、3G対応のお陰で、iPhoneでのウェブアクセスも「驚くほど速い(it's amazingly zippy)」とか(ジョブス氏によると、同じ3Gによるウェブアクセスにしても、ノキアN95やTreo 750よりも、3割方速いとのこと)。
もちろん、3Gでの消費電力を考慮し、バッテリーも強化されています(3G通話時間は約5時間)。
おまけに、GPS機能も内蔵していて、iPhoneの居場所が常にわかるようになるのです。すると、たとえば自分がいる場所から目的地までの道順だとか、近くにある行ってみたいお店だとか、まわりの道路の混雑状況だとか、そんなものがグンと検索し易くなるのです。もしお友達がiPhoneを持っていれば、「誰か近くにいるかな?」と、まわりにいるお友達を探し出したりもできるのです。GPS衛星、WiFiホットスポット、携帯電話の電波塔と、3重の構えでiPhoneの居場所を追うんだそうです。
加えて、次世代iPhoneでは、アプリケーションの開発者もグンと増え、現在、新手のビデオゲームやリアルタイムのニュース・スポーツ速報、使い易いブログソフト、人気オークションサイトへのアクセスソフトと、魅力的なソフトをたくさん準備中だそうです。新しいiPhoneの発売とともに、アプリケーション専用ショップ(iPhone App Store)も店開きするそうで、iPhoneの使い道はどんどん広がっていくのです。
いよいよ7月11日、次世代iPhoneは、本国アメリカと日本を含む世界21カ国で一斉に発売開始となります。そして、今年の終わりまでには、販売市場は70カ国にまで広がるそうです。
アメリカ市場における一番の魅力は、何といっても、そのお値段。現行の8GBモデルをとってみると、発表時599ドル(約6万円)だったものが、その後すぐに値下げされ399ドル(約4万円)に。しかし、それに比べ、新しい8GBモデルは、たったの199ドル(約2万円)! 16GBモデルだって、299ドル(約3万円)しかしません。
今まで、値段が高いのが玉に瑕(きず)で、多くのアメリカの庶民にとっては「高嶺の花」となっておりました。お陰で、iPhoneを持ち歩く人は、テクノロジーや新しい物に目が無い「おたくっぽい人(geeks)」に限られる嫌いもありました(アメリカでは一般的に、携帯キャリアや端末メーカーによる払い戻しが大きいので、だいたいの携帯電話は20ドル、30ドルで購入できるのです。日々の生活を切り詰める庶民は、自然とそちらの方に流れてしまいます)。
けれども、iPhoneの値段がここまで下がったお陰で、今まで購入を躊躇せざるを得なかった人たちも、思い切って買うことができるようになるでしょう。そして、裾野はグンと広がるはず。
このアメリカ市場における大幅な価格カットの影には、独占的にiPhoneを提供している携帯キャリアAT&T Mobilityの協力があります。今までのiPhoneには、AT&Tの補填がまったくなかったのですが、次世代からは補填が付くために、低価格で販売されることになりました。
しかし、これには条件があります。今までアップルさまにはAT&Tが利用者から徴収したデータ通信料の一部がキックバックされていましたが、これからは、それも無し。これまで、月に一律40ドルの通話料と20ドルのデータ通信料が、次世代はデータ通信料30ドルと値上げされるわりに、これをすべてAT&Tが懐にすることとなります。
そして、もうひとつ。世界のあちこちで使えるように細工する「SIMロック解除(unlocking)」を防止するために、AT&Tとの2年契約付きでしか、iPhoneを買えなくするそうです。AT&Tに2年サービスを誓わないと、iPhoneを持って店から出られなくなる!!
わたしにとっては、これが何ともいやらしいところなんですよ。今までは、こうでした。おしゃれなアップルストアで、これまたおしゃれな黒い箱に入ったクールなiPhoneを買い、大事にお家に持って帰る。そして、箱を開け、ピカピカの(誰の指紋も付いていない)iPhoneを取り出し、パソコンのiTunesに接続して、オンラインでAT&Tとサービス契約をする、という一連の儀式があったわけです。
ところが、AT&Tの2年契約が義務化されるってことは、AT&TショップでiPhoneを買えってことでしょうか? え、あのオレンジ色の安っぽいAT&Tショップで、iPhoneを買うんですか? ショップのスタッフがベタベタと触ったiPhoneをですか?
もちろん、あちらさんの悩みはよくわかります。なんでも、今までアメリカで売れたiPhoneの3分の1から半分くらいは、AT&Tとのサービス契約がまったくなされていないそうですから。それくらいは、(非合法に)海外に流れているということですね。一台に付き200ドルも次世代iPhoneの補填をして、その上、利用者の契約なしでは、AT&Tとしては泣きっ面にハチですものね。
けれども、ショップで買うiPhoneなんて、普通の携帯電話と変わらないじゃないですか。いえ、機能的には、申し分ないくらいに優れています。iPhoneの命であるウェブアクセスも格段に速くなり、その上GPS機能まで付くとなると、ちょっとやそっとでは、他のメーカーが追随できるはずもありません。
でも、感じが出ないではないですか。他のケータイではなく、iPhoneを買ったぞっていう感じが。大事な宝物を買ったんだっていう楽しみが・・・。
追記: アメリカの国の法律では、自分自身の携帯電話でSIMロック解除を行うのは許されるそうです。けれども、他人のロック解除を有償で行ったり、解除の方法を有償で教えたりすると罪になる。iPhoneの場合は、海外に流して儲けている人もいるようですから、これは立派な罪となるわけですね。
やはり、世界6カ国でしか売られていないとなると、「欲しい~!」という人は、限りなく存在するのです。
それから、世界のスマートフォン市場を見ると、iPhoneのマーケットシェアはまだまだですね。ノキアの「シンビアンS60」OS搭載機は、世界市場の実に45パーセントを牛耳っている。次いで、リサーチ・イン・モーションのブラックベリー端末は13パーセント、iPhoneは5パーセントだそうです(2008年第1四半期、出展:Canalys)。
もちろん、iPhoneは、ノキアスマートフォンやブラックベリー機に比べ、娯楽性が強く、ユーザ層も異なるわけです。けれども、次世代のiPhone 3Gが出ると、プッシュメール機能なども追加され、垣根が徐々にぼやけて来るのかもしれませんね。
< Microsoft Wants You! >
忘れもしない、2月1日の金曜日。我が家のファイナンシャルアドバイザーが、「今日、会社を辞め、新しいところに移ったよ」と、突然電話をしてきました。まあ、過去にも何回かあったことで、今度の金融機関は4社目。それでも、ここ何年かは一社に落ち着いていたので、ちょっとびっくりではありました。
そして、その2月1日。もうひとつびっくりな出来事がありました。それは、マイクロソフトがヤフーに対し、かなり強引な買収話を持ちかけたこと。
もちろん、マイクロソフトがヤフーを買いそうだという噂は、以前にもありました。しかし、正式に「これでどうだ!」と買収価格を提示されると、いきなり噂がシビアな現実となってしまうのです。
その翌週末、シリコンバレーから小1時間南に下ったペブルピーチという有名なゴルフ場では、毎年恒例のプロ・アマ・トーナメントが開かれました。が、出場予定だったヤフーCEOのジェリー・ヤン氏は、急遽欠場となりました。
我が家のファイナンシャルアドバイザーは、「僕のところに移ってくれたら」と、手土産にトーナメントのチケットを持って来てくれたのですが、晴れ渡ったゴルフ日和、いそいそと現地に出向いてみると、やはり、楽しみにしていたヤン氏の姿はどこにもありませんでした。
もちろん、ヤン氏は、ゴルフなどできる状態ではありません。ゴルフの腕前はかなりのもののようですが、あの状態でトーナメントに出場すれば、「何を考えとるんじゃ!」と、株主たちから首を絞められていたことでしょう。
ご存じの通り、3ヶ月に渡るすったもんだの末、5月初旬、マイクロソフトは475億ドル(約4兆8千億円)の買収案を取り下げました。しかし、これに対し、富豪投資活動家であるカール・アイカン氏が、どうしてもマイクロソフトがヤフーを買収すべきだとの物言いをつけ、話はどんどん複雑怪奇になっていきます。そのアイカン氏は、現在、8月1日に開かれるヤフーの株主総会で、ヤン氏をCEOから引きずり下ろし、取締役会役員を全員クビにしようと画策中です(アイカン氏自身も、新役員候補に名乗り出ています)。
その一方で、多くのヤフー株主は、マイクロソフトの買収案をヤフーが却下してしまったことに、怒りを感じています。ヤフーの株価はせいぜい二十数ドルのところ、せっかくマイクロソフトが一株33ドルで買い取ってくれると言っているのに、その大事な取引が、CEOヤン氏の「独立を保ちたい」という個人的な感情のお陰でオジャンになったと。そして、このヤン氏の采配に憤懣をあらわにする一部の株主は、カリフォルニア州とデラウェア州でヤフーを相手取り株主訴訟を起こしています。
そんな中、当のマイクロソフトは、再度ヤフーにアプローチし、今度はヤフー全体を買収するのではなく、サーチ広告ビジネスに1億ドルを支払い、ヤフー株の16パーセントを8億ドルで買い取ると持ちかけたようです。が、これに対しても、ヤフーはかたくなにお断り申し上げています。そして、すかさず、「サーチ広告分野でグーグルさんと協力することにしたからね」と発表しています。
このように、なんともドロドロとした(耳にしたくもないような)争いが続いている最中ですが、次にマイクロソフトが何を始めたかご存じでしょうか?
実力行使に出たんです。どうしてもヤフーの経営陣が耳を貸さないなら、直接ヤフーの従業員を盗んでやるもんね、という実力行使です。
こちらは、6月23日付のサンノゼ・マーキュリー新聞の中で、ビジネス欄に掲載された一面広告です。ヘッドラインは、「マイクロソフトだって、バレー(シリコンバレー)にサーチの仕事を持ってるもんね(Microsoft Has Search Jobs in the Valley)」というもの。(言うまでもなく、マイクロソフトはワシントン州レッドモンドの会社でして、シリコンバレーのお仲間ではありません。)
マイクロソフトだって、シリコンバレーには2千人の従業員を抱えていて、サーチやオンライン広告の分野には真剣なんだよ。魅力的な仕事はいっぱいあるから、君たちにとってもエキサイティングな進展となること請け合いだよ。ぜひうちに参加してみてよ、とゴチャゴチャと書いてあります。
マーキュリー紙によると、リクルートしようとしている人材は、サーチ関連のエンジニアに限らず、今年1月には、ヤフーのマーケティング部門のスタッフに宛て、マイクロソフトが直接勧誘メールを送っていたそうです。「あなたのお名前は、かねがね伺っておりました。きっと今後の行く末に不安を抱いていらっしゃることでしょう。が、あなたには、マイクロソフトでのキャリアチャンスが待っています」と。マーケティング部門に続き、エンジニアたちも、同様の勧誘メールを受け取っていたそうです。
まあ、当のヤフーのスタッフとしては、今年2月には大量人材解雇も行われているわけですから、こういったマイクロソフトのお誘いに、大きく心が揺り動かされていることでしょう。ヤフー勤務ではありませんが、「わたしのまわりなんて、マイクロソフトに勤めたい人ばっかりよ」と明言する、バレーの友人もいるくらいですから。
前線で働くエンジニアにとっては、楽しい仕事ができて、給料や福利厚生が良ければ、それに越した事はありません。それに、多くの若いエンジニアにとって、マイクロソフトがいかなる手段でネットスケープをつぶしたかなんて、まったく知る由もないでしょうから。
マイクロソフトがヤフー買収案を提示したあと、ヤフーからはトップマネージメントの離脱が続いています。とくに、二度目のマイクロソフトのアプローチを却下してからは、その離脱のスピードも速まっているようです。
1995年に設立され、人気ポータルサイトとしてインターネット第一世代の象徴ともなったヤフー。このネットの老舗が今後どうなってしまうのか、これからの成り行きが、とても気になるところではあります。
<女性大統領候補>
いやはや、残念です。残念至極です。何がって、言わずと知れた民主党の大統領候補者選びのお話です。年初はあそこまで優勢だったヒラリーさんが、どうしてオバマ氏に敗れたのでしょうか? なんだか、狐につままれたような気分です(夢だったら、どうか覚めて~)。
今年1月号でも書いておりますが、まあ、アメリカには、女性なんかには絶対に投票しないぞという有権者が多いのも事実です。「女性大統領は歓迎だけれど、ヒラリーだけは絶対にイヤ!」とうそぶく人は、その実、「女性大統領だけは絶対にイヤ!」と言っているようなものなのです。
ここアメリカ社会では、ひと昔前まで「male chauvinist(メイルショーヴィニスト、男性偏重主義者)」という言葉が横行していましたが、その言葉が死語となりつつ今も、事態はあまり変わっていないのかもしれません。相変わらず、女性初の連邦下院議長が誕生すると大騒ぎになるし(サンフランシスコ選出のナンシー・ペローシ議員)、50州もあるのに、女性州知事も極めて少ないです(現職の女性州知事は8名。デラウェア、ハワイ、ミシガン、アリゾナ、カンザス、コネチカット、ワシントン、アリゾナの8州です)。
「ガラスの天井(glass ceiling)」という言葉も、今ではあまり耳にしなくなりましたが、職場で女性が経験する数々の障壁は、いまだ健在のようです。シリコンバレーのハイテク産業だって、例外ではありません。企業の大小を問わず、女性の重役は数えるほどだし、女性CEO(最高経営責任者)ともなると、「果たして、わたしで世間の信用を得られるかしら?」と本気で心配しています。肩書きありと肩書き無しと、二種類の名刺を使い分ける女性CEOもおりますし、報道陣からのインタビューに率先して答えていると、「ちょっと待ってよ、あなたはもういいよ。僕たちは責任者に意見を聞きたいんだよ」と、発言を妨げられるCEOもいます。
今年3月末まで、オークションサイトのイーベイ(eBay)で長年CEOを務めたメグ・ホイットマン氏には、こんなエピソードもあります。ある年の株主総会で、ホイットマン氏が壇上に登場すると、「さあ、こちらがCFO(最高財務責任者)のホイットマン氏です」と、進行係に紹介されました。当のメグさんは、かなりユーモアのある方で、「はい、わたしがCFOのホイットマンです。でも、社員食堂のシェフって言われないだけ良かったわぁ」と、会場の笑いを一身にさらったそうです。
そう、政治の世界も、IT業界も、女性の参加者が少ない分、どうしても男性主導となりがちなんですよね。そして、その男性主導型が、女性が参画を躊躇する原因ともなっている。だから、ヒラリーさんが大統領になってくれればと、多くの職業婦人たちはヒラリーさんの善戦に望みを託していたことでした。
6月初頭、ヒラリーさんが敗北宣言をすると、不思議なことに、あちらこちらでメディアの自己反省が始まりました。「どうも僕たちは、ヒラリーに対し、一方的に厳し過ぎたのではないか」と。それは、ヒラリーさんの夫であるクリントン前大統領も度々指摘していたことではありますが、今頃になって自己反省とは、遅きに失するではありませんか。そんなに後悔するくらいなら、最初からピーヒャラピーヒャラと軽口をたたかなければいいのに(そういうのって、ジャーナリズムの基本中の基本でしょうに)。
けれども、そこは芯の強いヒラリーさん。6月下旬、さっそく上院議員のお仕事に戻った彼女は、まわりの暖かい拍手と声援ににこやかに応えました。そして、「さあ、これからわたしは、ベストな上院議員になれるように努力するわ」と抱負を述べています。
このヒラリーさん復帰の日、前回2004年の大統領選挙で、惜しくもブッシュ大統領に敗れたジョン・ケリー上院議員は、闘いに敗れて議員の仕事に戻るのは難しくないかとの質問に対し、こう答えています。
「息をついて、少し落ち着いたら、自分が今までよりももっといい、実力のある上院議員であることを自覚するんだよ。だって、大統領選に参加したことで、一介の州選出の議員であったときよりも、もっとたくさん国中のことを見てきているし、政策に関しても違った視点で考えられるようになるからね」と。
ヒラリーさんは、議員序列はまだまだ下の方で、重要な党のポジションや、議会の各種委員会の議長を務めることなど到底できません。けれども、ひと回り大きくなった彼女は、これからいい政治家になることは間違いないでしょう。
そうそう、この際、ここできっぱりと断言いたしましょう。誰だかはわかりませんが、日本の方が、いち早く女性総理が誕生します!
<おまけのお話: DWT >
「 DWT 」とは、何やら暗号のようですが、以前ご説明したこともある「 DUI 」の親戚となります。
DUIの方は、Driving Under the Influence。つまり、酒や麻薬(または処方薬)で体に影響を受けながらも、違法に車を運転すること。
そして、DWTの方は、新しく登場した言葉で、Driving While Talking。つまり、ケータイでおしゃべりしながら、違法に運転すること。
今までも何回かご紹介したことがありますが、今年7月1日からは、カリフォルニア州で携帯電話の「ハンズフリー」が義務化されます。Bluetoothなどのハンズフリー機能を使わなければ、車を運転しながらケータイで話ができなくなります。(いろいろと議会の事情があって、ケータイでメールを打つことは違法にはなりませんでした。そして、push-to-talk、つまりケータイのウォーキートーキー機能は、例外的に許されています。どうも、ケータイそのものを耳に当てて話すのがダメなようですね。)
一方、今年2月号でもご紹介した通り、18歳未満の未成年となると、運転しながらケータイで話すことも、文字を打ってテキストメッセージを楽しむことも違反となります。運転中、ケータイなどの電子機器を手にすること自体が禁止となるのですね。
というわけで、フリーウェイには早々と、こんな電光掲示板がお目見えしています。「Hands-free phone. July 1st. It's the law.(7月1日からはハンズフリー電話、これは法律だよ。)」
2006年の制定後、この法律の施行までは2年もありました。だから、充分に周知されたものとみなされ、7月になると、違反者はバリバリと摘発されることになります。カリフォルニア・ハイウェイパトロール(通称CHP)も、違反者を取り締まることを、それはそれは楽しみにしています。
一回目の違反者は、20ドルの罰金にいろいろ付いて100ドル(約1万円)を取られ、2回目ともなると、それが190ドル(2万円近く)にもはね上がるそうです。カリフォルニアにいらっしゃって車を運転しようという方は、充分にお気を付けくださいね。
そう、7月1日からは、カリフォルニアのハンズフリー。7月4日は、楽しいアメリカの独立記念日。そして、7月11日は、アップルさまの「iPhone 3G」。 これだけは、カレンダーに書き込んでおきましょう!
夏来 潤(なつき じゅん)