English words
英語ひとくちメモ/おもしろ表現
English Words 英語ひとくちメモ
2010年04月15日

Wash hands(足を洗う)

題名を見て、あれ? と思われたことでしょう。

Wash hands(手を洗う)なのに、どうして「足を洗う」になっているのかな?って。

これは、わたしが勘違いしているわけではなくて、wash hands という慣用句をご紹介しようと思ったからでした。

そうなんです、wash hands というのは、「きっぱりと関係を絶つ」つまり「足を洗う」という意味になります。
 何か良からぬ事に手を染めていて、そこからきっぱりと関係を絶つと、日本語では「足を洗う」といいますが、英語では「手を洗う」になるのですね。

たとえば、こんな風に使います。

I washed my hands of that matter. 「わたしは、その件からは足を洗った」

「わたしはもう関係ないんだよ」という意味を強調するために、パンパンと手をはたくジェスチャーを付けてもいいかもしれませんね。


こんな風に、なんとなく基本的な考え方は同じなのに、微妙に言葉の表現が異なるものが、日本語と英語の間では結構たくさんあるのです。

たとえば、こちらもそうでしょうか、sooner or later

いずれも時間を表す形容詞 soon(早い)と late(遅い)の比較級となりますが、この sooner or later という慣用句で、「遅かれ、早かれ」という意味になります。

遅かろうが、早かろうが、そのうちに事は起きる、みたいな意味で使われますね。でも、英語では「早かれ、遅かれ」と、微妙に「遅い」と「早い」の位置が逆転しているのです。

もしかしたら、日本の方でも「どっちが正しかったっけ?」とわからなくなる場合もあるかもしれませんが、日本語では「遅かれ、早かれ」の方が正しいようですよ。

英語版「遅かれ、早かれ」は、こんな風に使います。

You’ll get the hang of it sooner or later.
「遅かれ、早かれ、きみはそのコツを覚えるよ」

こちらの文章について、ちょっとご説明いたしましょう。「(物事に)慣れる」というのは、get used to ~ といいますが、「コツを覚える」には、get the hang of ~ という表現がクールだと思います。くだけた表現ではありますが、みんながよく使うものなので、覚えておくと便利でしょう。

つい先日も、こんな風に言われたことがありました。

Oh, you’ve got the hang of it already.
「なんだ、もうコツを覚えたじゃない」

ちょっとややこしい携帯電話(スマートフォン)の使い方を教えてもらって、ほんのすこし慣れたところで、こうほめられたのでした。でも、ほんとはまったくわかってなかったのですけれどね。

製品展示会の相手は調子がいいものだから、「コツはつかんだねぇ」と、すぐにほめてくれたのでした。


さて、簡単なところでは、こんなものもありますね、goose bumps

これは、「ガチョウの肌のブツブツ」ということですが、日本語では「鳥肌(とりはだ)」といいますね。

どうやら、ガチョウの羽を引っこ抜くと、羽の根元がブツブツとしていて、人間の鳥肌に似ているところから、goose bumps もしくは goose pimples(ガチョウのにきび)と呼ばれるようになったようです。

たとえば、こんな風に使います。

I got goose bumps all over my body as soon as I heard that ghost story.
 「そのお化け話を聞いた途端、体じゅうに鳥肌が立ったよ」

なんでも、生物学的には、鳥類の肌はどれも似たような構造になっているので、「鳥肌」を表すには、べつにガチョウでなくとも、鶏でも何でもいいそうです。
 ですから、どの鳥を使うのかは、国によって異なるようです。ドイツ語やイタリア語では、英語のように「ガチョウ」を使いますが、フランス語やスペイン語では「めんどり(鶏のメス)」を使って、中国語やオランダ語では「鶏」を使うそうなのです。(出典: Wikipedia, “goose bumps”)

伝統的に、みんなの食卓に何がのっていたかというのが、身近な代表選手として選ばれているのかもしれませんね。

でも、日本語の「鳥の肌」というのが、一番一般的で的確な表現なのかもしれません。


それから、こちらも、何となく気持ちはわかるんだけれど、日本語とは微妙に違う表現でしょうか。

I live, breathe, and sleep football.

直訳すると「わたしはフットボールに生きて、呼吸して、寝る」ということになりますが、「わたしは三度の飯よりもフットボールが好きだ」という意味になります。

こちらは、サンフランシスコのプロフットボールチーム49ers(フォーティーナイナーズ)の大ファンが熱弁していた言葉ですが、わたしも同感だと思って、心に刻んでおいたものでした。

ときどき、「生きて、呼吸して、寝る」に「食べる」が加わるときもあって、そうなると、こんな文章になりますね。

I live, breathe, sleep, and eat football.

この四番目の単語は、好みでいろいろと入れ替える人もいるみたいで、こんな文章も見かけました。

I live, breathe, sleep, and need music. 「僕は音楽に生き、音楽が必要なんだ」

なるほど、こういう風に表現すると、「もう音楽なしじゃ生きられない!」って感じがよく出ていますよね。

それから、こんなアドリブも見かけました。

Eat, sleep, and get gloriously lost…
 「食べて、寝て、すばらしく我を忘れてください」

こちらは、ニューメキシコ州のリゾートからのお誘いのメールでした。

毎年7月と8月の2ヶ月間、サンタフェ(Santa Fe)という州都ではオペラ祭があるそうなのですが、オペラのチケット2公演分とおいしいディナー、ベンツのお迎えが付いて、3泊を特別価格でご提供しますという、一流リゾートからのお誘いでした。
(写真は、このリゾート系列のホテルで撮った、カリフォルニアのナパバレーの夕刻です。)

ニューメキシコは一度も行ったことがないのですが、砂漠だし、真夏はとても暑いのだろうなぁと思うのです。もちろん、砂漠といえば夜は涼しくなりますので、寝苦しい熱帯夜ということはないでしょうけれど。

でも、Eat, sleep, get gloriously lost「食べて、寝て、すばらしく我を忘れる」なんて、心ひかれる一言ではありますよね。

おまけに、結びには、こんなことが書いてありました。
 Make one call, and become a diva! 「たった一本の電話で、あなたもプリマドンナ!」

なるほど、「あなたが主役」とは、女性の心をくすぐる作戦ですね!


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