You made my day! (褒め言葉)
いやはや、英語というものは意外と複雑なところがあるものでして、簡単な文章ほど、意味を理解するのが難しかったりするものです。
You made my day.
これは、直訳すると、「あなたがわたしの一日を作った」となるわけですが、そんな変なこと普通言いませんよね。じゃあ、いったい何でしょう?
ここでわからないのは、made my day。現在形は make my day となるわけですが、これは、「わたしがすごく気に入ることをしてくれる」という意味なんですね。
つまり、You made my day は、「あなたがいいことをしてくれたので、今日一日ほんとにいい気分よ」みたいな感じでしょうか。
相手に賛辞を贈るような、とってもいい意味なんですね。
ちょっといいことってありますよね。何も大袈裟なことでなくてもいいんです。
たとえば、ハンカチを落っことしたら、後ろの人がすぐに気が付いて拾ってくれた。大事にしていたハンカチだから、拾ってもらってとっても嬉しいわぁとか。
今日は新しいブラウスを着てみたんだけど、オフィスの人に「すごく似合うね」と言われた。ちょっと気にしていた人だったから、ウキウキしちゃったとか。
何か心が軽くなるようなことをしてもらったとき、相手に You really made my day! と言うんですね(この really は、強調ですので、あってもなくても大丈夫)。
相手もそう言われて、悪い気はしないはずですよ。
この表現が難しいのは、簡単な文章構成のわりに、make my day そのものの意味がわからないと、手も足も出ないということもあります。
けれども、もうひとつ理由があるのですね。この言い回しは、ある映画で有名になったのですが、その中では、ちょっと違った使い方をされているからなのです。
このフレーズは、映画界でも最も有名だと言ってもいいかもしれません。かの人気映画『スターウォーズ』に出てくる May the force be with you 「フォースのともにあらんことを」と並ぶくらいでしょうか。
Go ahead, make my day の方は、クリント・イーストウッド主演の 『Sudden Impact(邦題:ダーティハリー4)』 という刑事物の映画で、イーストウッド扮するハリー・キャラハン警部、通称ダーティハリーが、悪者に向かって放つ言葉なんですね。
「やれるもんなら、やってみろ!(やったら俺が承知しねえぜ)」みたいな意味でしょうか。(邦訳では「楽しませてくれ」とされているのでしょうか。)
この場合の make my day とは、「俺の気に入ることをやってみろ」と、皮肉で悪者にけしかけているわけですね。「やったら俺が頭をぶち抜いてやるから」と、言外ににおわせて。
まあ、生まれていない方もいらっしゃるでしょうが、この映画は、1983年に封切られた後かなり話題となって、Go ahead, make my day は、あっと言う間に流行語になってしまったんですね。
でも、日常生活で誰かが You made my day! と言ったら、それはあくまでも褒め言葉なんですよ。
あ~、自分は相手にいいことをしたんだぁと、その日一日いい気分を味わってくださいね!
追記:写真は、映画の人気にあやかって売り出された、パロディー商品です。ホテルの Do not disturb(入って来ないで)みたいな、ドアにかける目印なんです。「入れるもんなら、入ってみろ!」といった感じでしょうか。