English words
英語ひとくちメモ/場面
English Words 英語ひとくちメモ
2007年06月30日

A piece of me (わたしの一部)

普段、生活していて、いろんな名言を耳にしますよね。偉い人の言葉だったり、有名人の言葉だったり。

でも、わたしにとって、記憶に鮮明に残っている名言といえば、すべて普通の人の言葉なんです。

何気なく口にした言葉に、その人の暮らしや考えがずしっと詰まっている。そんな重みのある言葉。


いつか、テレビで、こんな言葉を耳にしました。

You always have a piece of me that I never get back.

ちょっと長い文章ですが、直訳すると、「わたしが取り返すことのできないわたしの一部を、あなたはいつも持ち続ける」。

つまり、「わたしの大事な部分を、あなたの中に置いて来たわ」。

これは、ある女性が失恋してしまったときの言葉なのですが、相思相愛だと思っていたにもかかわらず、相手が別の女性を選んでしまった悲しみを表現したものなのです。

わたしの中に、ぽっかりと大きな穴が開いてしまったわ、といった感じでしょうか。


a piece of me(わたしの一部)」という表現は、よく使われるものでして、上の文章のように、恋愛のときに使われることもありますし、ケンカをけしかけるときに使ったりもします。

You want a piece of me?(俺の体の一部が欲しいとでも言うのか?)

つまり、やれるもんなら、かかって来い!

これなどは、殴り合いのケンカの前に聞こえてくるような表現ですね。


似たような表現で、「a piece of my heart(わたしの心の一部)」というのもあります。

You will always occupy a piece of my heart.

これは、ある女性を振ってしまった男性が口にした言葉なのですが、「あなたは、僕の心の中に、いつまでも存在し続けるでしょう」といった意味ですね。

あなたはとっても素敵だから、いつまでも僕の記憶に留まるでしょう、といった感じ。

でも、そんなことを言われても、振られた女性としては、ぜんぜん嬉しくないですよね・・・


ところで、わたしが感動した最初の文章というのは、あるテレビ番組で耳にしたもので、発言した人は一般の女性。

いわゆる、「リアリティーテレビ(reality TV)」と呼ばれるジャンルのもので、一般視聴者から参加者を募り、台本なしで、収録を進めるといったタイプの番組です。

日本でも知られているところでは、過酷な条件で生き抜く「Survivor(サバイバー)」なんかがありますし、賞金が大きなクイズ番組「Who wants to be a millionaire(ミリオネア)」なども、このジャンルに入りますね。

アメリカでは、近頃、台本のあるドラマなんかよりも、こちらのリアリティーテレビの方が人気を博していて、いろんな毛色のリアリティー番組のオンパレードとなっています。思いもよらないような展開が、みんなを釘付けにするんですね。

恋愛物あり、アイドル物あり、クイズ物あり。ダンサーやコメディアンや映画監督の腕を競う、というものもあります。


そんな中に、リアリティーテレビの草分け的存在である「Bachelor(バチャラー、つまり、独身男性)」というのがあって、まさに絵に描いたような条件の独身男性が結婚相手を選んでいくという、超人気番組となっているのです。

独身男性の方も、25人の女性の方も、もちろん一般人なのですが、女性の方は、ひとつ屋根の下で共同生活を送りながら、ひとりの男性のハートを掴むという、ちょっと過酷な番組なのです。

女性は、ひとり、またひとりと、週を追うごとに彼にカットされて行く・・・

冒頭の文章は、最後の最後まで残ったふたりのうち、モアナちゃんの言葉。

ごく最近、失恋を乗り越えたモアナちゃん。長いプロセスを経て、ようやくお相手のお医者さんに心を開けるようになったのに、最後に自分が選ばれるかと思えば、もうひとりのサーラが選ばれてしまった・・・

一方、お医者さんの姪っ子ちゃんは、断然、モアナちゃんのファン。

「わたし、モアナちゃんの絵を描いてあげたの」と、長身でハンサムな、アウトドア派のおじちゃんにご披露します。

わたしも観ていて、モアナちゃんの方が人間的にいいなと思っていたのに、当の彼氏は、お手頃なところで、同じ街に住む小学校の先生、サーラを選んでしまったんですねぇ。

でも、あのお医者さんとサーラ、絶対に続かないよ!

(写真は、お花にゾッコンの、ミツバチくん)


ところで、恋愛に関する珍しい表現って、英語にはいろいろあるのですが、ひとつだけご披露いたしましょうか。

I’m head over heals for him.(わたし彼に首っ丈よ)

これは、もともと、「頭の上にかかとがある状態」、つまり、「逆立ちや側転をした恰好」を指すのですが、それほど、心が興奮状態にあるといった意味なのですね。

18世紀に使われ始めた頃には、側転をするほど興奮する、といった意味だったそうですが、そのうちに、恋愛で心がドキドキする、という意味に変わっていったようです。


ところで、あんまり言われたくない表現に、こんなものがありますね。

She’s high-maintenance.(彼女って、お金がかかってしょうがないよ)

She’s needy.(彼女は、いつも構って欲しいタイプだね)

ふたつとも、男性が嫌だなぁと思っているタイプの女性を表現するものなので、決して褒め言葉ではありませんね。


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