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英語ひとくちメモ/おもしろ表現
English Words 英語ひとくちメモ
2010年12月03日

Cyber Monday(サイバーマンデー)

先日は、Happy Turkey Day!と題して、感謝祭のお話をいたしました。

感謝祭というのは、日々の生活に感謝するのと同時に、七面鳥などのご馳走をありがたく堪能する一日なのでした。

そして、以前もご紹介したことがありますが、感謝祭の翌日の金曜日は、Black Friday(ブラックフライデー)と呼ばれます。

どうして「黒い金曜日」なのかといえば、それまで赤字だった商売も、この日にはグイッと挽回して黒字になる(in black ink、in the black)、という意味からきているのです。

たとえば、こんな嬉しい悲鳴から生まれた表現なのでした。

We sold a record number of merchandise on Black Friday, and our business is now in black ink.
(ブラックフライデーには記録的な売上だったので、経営収支は黒字になった)


そう、このブラックフライデーの空恐ろしさは、消費者の「買う意気込み」にあるでしょうか。

クリスマス商戦のスタート(a kickoff to the holiday shopping season)ともなっているので、何がなんでも大安売りの品々をゲットするぞ! と、朝早くからお目当ての店の前で列をつくるのです。

今年は、Best Buys という大型電器店の前で、火曜日からテントを張って寝泊まりする若者たちが報道されていました。
 なんでも、ノートパソコンや液晶テレビを半額で買って、500ドルを浮かせようという計画なんだそうですが、家族と過ごす感謝祭をスキップして3泊もテント生活をおくるとは・・・

お店の方にしたって、人々の(異常な)購買意欲は知り尽くしていて、今年は、感謝祭の当日にまで店を開けていた大型チェーン店がたくさんありました。
 WalmartSearsKmartGap は、少なくとも半日は営業していたそうです(もちろん、今までは、感謝祭の日はどこも閉店でした)。

そして、感謝祭が明けると、金曜日の午前零時(!)に店を開けたのが、おもちゃのチェーン店 Toys R Us
 今年は、「Zhu Zhu pets(ズーズー・ペット)」という動くハムスターのぬいぐるみが、子供たちの間で大人気だそうですよ。きっと、どのお店でも飛ぶように売れていることでしょう。

続く午前3時に開店したのが、大型ディスカウントショップの Kohl’s。他のお店も、午前4時、5時、6時と、順次お店を開けていくのです。

このブラックフライデーには、どこもかしこも大混雑だとわかっているので、わたしは家でおとなしくしていました。
 そして、そう思っている人も少なくないようでして、こんなことを言っている人がいましたよ。

I didn’t do Black Friday.
(僕は、ブラックフライデーには買い物には行かなかったよ)

驚くことに、今となっては、do Black Friday(ブラックフライデーに買い物をする)という表現まで世の中で通用するようなのです!


さて、感謝祭の翌日の金曜日が Black Friday なら、土日をはさんだ月曜日は、Cyber Monday(サイバーマンデー)と呼ばれています。

Cyber というのは、「コンピュータや電子機器を使って何かを行う」とか「コンピュータ関連の」といった意味合いの接頭詞ですね。

以前の Black Friday のお話にもちょっとだけ登場していますが、月曜日になって会社に出勤して、オフィスのパソコンでネットショッピングすることを指します。

さすがに、感謝祭の翌日の金曜日はお休みの人(または有給休暇を取る人)が多いので、みんな月曜日にオフィスに戻って来るのです。すると、ソレッとばかりに、みんなが会社のコンピュータでお買い物をする・・・という、ちょっと困った現象のことです。

それでも、2008年秋の「世界金融危機(the global financial crisis、リーマンショック)」以来、アメリカ経済は冷えきっていたので、みんながたくさんお買い物してくれることは喜ばしいことではあるのです。

サイバーマンデーを目前に、この日は、1億人以上のアメリカ人がオンラインショッピングをするだろう、と予測されていました。(by the National Retail Federation)

ふたを開けてみると、ネットショッピングはとても好調で、この日だけで10億ドル(約8,400億円)の売上を超えた、ということでした。
 昨年よりも16パーセントも増えていて、サイバーマンデーの売上が10億ドルの大台を超えたのは初めてだということです。(by comScore)

Americans are increasingly willing to spend money.
(アメリカ人は、だんだんとお金を消費したい気分になってきている)

これは、世の中にとって、何よりもいいニュースなのですね。


そうそう、感謝祭の頃になると、Black Friday の準備はできてますか? と、こんなメールをいただきましたよ。

Tomorrow is Black Friday! Are you ready? We are.
(明日はブラックフライデーです。準備はいいですか? わたしたちは大丈夫ですよ。)

こんな特典で、お客さまをお待ちしているのです。

Extra savings in stores and online: extra 30% off one item
(お店でもオンラインでももっと節約: 一品さらに30パーセントオフ)

これは、本屋さんの Barnes & Noble からのお誘いメールでしたが、サイバーマンデーには、こんなメールも来ていましたよ。

It’s Cyber Monday! Enjoy FREE shipping on ALL orders!
(今日はサイバーマンデーです。すべての注文は送料無料となります)

こんな風に、割引価格だけではなくて、オンラインで買うと送料無料というのが、最近の常套手段となっています。


そして、みんながショッピングをする季節には、悪いお店は退治しなければなりません。

このサイバーマンデーの月曜日、アメリカ政府は、オンラインショップの取り締りに乗り出しました。

いえ、正規のお店はいいんです。

でも、近頃、偽の商品(counterfeit merchandise)や不法にコピーした音楽やソフトウェア(illegal copies of music and software)を売るサイトが増えているでしょう。

この日、米司法省と移民・税関管理局は、そんな怪しいサイトを82もシャットダウンしています。

たとえば、thelouisvuittonoutlet.com なんていうのがあるのですが、フランスの名店ルイ・ヴュトンが、アウトレットのお店を持っているわけがないですよね!

これら怪しげなサイトに対しては、政府機関の担当者が実際に商品を買ってみて、ひとつひとつ偽物であることを確認して、裁判所からシャットダウンの許可をもらったんだそうです。

Federal law enforcement agents got court orders allowing them to seize the domain names after making undercover purchases from online retailers and confirming that the items sold were counterfeit or infringed copyrights.
(Excerpted from the Associate Press article by Pete Yost, dated November 30th, 2010)

(連邦捜査官たちは、密かにオンライン小売店から品物を買って、商品が偽物か著作権侵害であることを確かめたあと、裁判所からドメインネーム(ウェブサイトのURL)を差し押さえる令状を取得した)

近年は、スポーツ用品、靴、バッグ、アパレル、DVDと、偽の商品も多岐にわたっていて、そのほとんどは中国で製造されたり、中国から出荷されたりするそうですね。

有形のものでも、無形のものでも、そのままコピーするのはルール違反なのに。

おっと、話がちょいとそれてしまいましたが、Cyber Monday

クリスマスを前にして、良い兆しが見えてきたので、みんなの心も少しずつ明るくなってきたのでした。


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